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Vol.29 料理を引き立てる、香味野菜

夏は食材の保存方法にとても気を遣うもの。
そんなときにうまく活用したいのが、冷凍保存ですよね。

「野菜の冷凍保存」については、以前にもご紹介させていただきましたが、今回は、冷凍しておいた野菜を上手に解凍し、お料理においしく活用する方法を、野菜ソムリエであり冷凍生活アドバイザーの根本早苗さんにおうかがいしました。

冷凍保存すれば、こんなに変わる

長期間保存ができる

冷凍保存のメリットは、長期間保存できるようになること。正しく冷凍すれば、おいしさもキープできますし、栄養価の低下もわずかだとされています。

食品ロスが防げる

旬のおいしい時季にまとめ買いしたときなど、すぐに使いきれない量がある場合も、無理することなく使いきれます。また、野菜のヘタや皮などの端切れを冷凍しておき、ベジブロス(野菜だし)をつくるのもおすすめです。

調理時間が短縮できる

野菜を冷凍すると細胞内の組織が壊れるため、味がしみ込みやすく、火が通りやすくなります。冷凍する際に下茹でしたり、カットしておいてもいいですね。

塩分・糖分コントロールがしやすくなる

味がしみ込みやすくなるため、使用する調味料は控えめでもかまいません。少量の調味料でおいしい満足感が得られます。

冷凍野菜を解凍するポイント

冷凍野菜は、冷蔵庫に移して自然解凍をするのが基本ですが、その後の調理方法などによって、いろいろな解凍方法があります。

生のまま冷凍した野菜は、加熱解凍

冷凍野菜を炒める場合は、水分が少ない野菜を選んで強火で加熱し、水分をとばしましょう。油のパチパチ音が軽くなったら火が通った合図です。
水分が多い野菜は、炒め物に向いていませんので、汁物や煮物に活用しましょう。

下茹でしてから冷凍した野菜は、流水解凍

冷凍した際の保存袋に入れたまま流水にあてましょう。急いでいるときはざるに移して水や熱湯で解凍を。その後は水気をしっかりと絞ってください。

茎がやわらかい葉野菜は、常温解凍

小松菜などの葉野菜、大根おろし、ラタトゥイユといった調理済みの食品などは常温での完全解凍が向いています。葉野菜は、加熱しなくてもおひたしや和え物として食べることができます。

小さく刻んで冷凍した野菜は、そのまま盛りつけて

ねぎ、おろししょうがなど、小さく刻んだ冷凍野菜は解凍スピードが早いため、食べる直前に冷凍庫から出しましょう。汁物の具や薬味として最適です。

夏野菜を上手に解凍

トマト

● 冷凍方法

ヘタをとり、丸ごとラップに包んで冷凍します。または、湯むき後にザク切りにして薄く平らになるよう保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍しましょう。

● 解凍方法

自然、流水解凍などが向いています。水にあてると皮がむきやすくなります。

● 調理例

凍ったままカレーに入れて煮込むと旨みが増すなど、煮込み料理がおすすめです。ざく切りにして冷凍したトマトも、軽く煮込むだけでなめらかなトマトソースになります。

ミニトマトを白ワインやオレンジジュースに漬けて冷凍し、半解凍すると、風味豊かでシャリシャリ食感が楽しめる前菜になります。

ピーマン・パプリカ

● 冷凍方法

ヘタと種を取りのぞいて縦半分に切り、ラップに包んで生のまま冷凍します。または、くし切りして薄く平らになるよう保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍しましょう。

● 解凍方法

凍ったまま好きな大きさに切って加熱解凍ができます。流水・常温解凍も可能です。

● 調理例

加熱解凍する場合は、野菜炒めやチンジャオロース、スープ、ピザのトッピングなど、多彩に活用できます。流水・常温解凍したものはやわらかくなっているため、サラダのトッピングやからし醤油和え、マリネなどに向いています。

なす

● 冷凍方法

使いやすい大きさにカットし、保存分に入れて冷凍します。ヘタを落として素揚げ後に粗熱をとり1本ずつラップに包んだり、電子レンジでやわらかくなるまで加熱して冷凍する方法もあります。

● 解凍方法

生の場合は、常温で5分ほど放置後、好きな大きさに切って、凍った状態で加熱解凍をしましょう。完全解凍すると食感が悪くなる場合があります。
加熱後に冷凍した場合は、流水・常温・調理解凍のどの方法でも解凍できます。

● 調理例

生のまま冷凍したなすは、加熱調理に向いています。加熱して冷凍したなすは、解凍するとトロトロ感が増しているため、麻婆なすなどの炒め物、胡麻和え、からし醤油和えなどに利用でき、味噌汁に入れるとコクがアップします。

かぼちゃ

● 冷凍方法

生のまま冷凍する場合は、種とわたを取り除き、3cm角や薄切りなど、調理を想定した大きさに切って薄く平らになるよう保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍しましょう。加熱して冷凍する場合は、フォークなどで潰してから保存袋に入れましょう。

● 解凍方法

生のまま冷凍した場合、凍った状態で煮物や揚げ物、蒸し物、電子レンジなどで加熱解凍を。
加熱後に冷凍した場合は、自然・常温解凍できます。

● 調理例

生のまま冷凍したカボチャは、煮物や天ぷら、味噌汁にするなど、冷凍前と同様に調理できます。
加熱後に潰しておいたカボチャは、サラダなどに使いやすくなります。

オクラ

● 冷凍方法

水洗いして水気をしっかり拭きとり、保存袋に並べて入れ、空気を抜いて冷凍しましょう。輪切りにしておくと、冷凍したまま使えて便利です。

● 解凍方法

流水・常温解凍すると、茹でたようなやわらかさになります。

● 調理例

かつおぶしで和えたり、グリーンサラダにトッピングしたり、茹でたオクラ同様に活用できます。スープに加えるときは、凍ったまま鍋に加えて火を止め、余熱で解凍できます。また、凍ったままだとぬめりを感じにくいため、みじん切りが簡単にできます。

オクラ6本に対し、小さじ1のめんつゆを入れて冷凍しておくと、流水・常温解凍しただけで、やわらかく味がしみた和え物が完成。カニカマを一緒に冷凍してもさらにおいしく味わえます。

きゅうり

● 冷凍方法

塩もみをしてスライスし、薄く平らになるよう保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍しましょう。解凍後は塩味を感じやすくなるため、塩分は控えめに。5mm以上の厚さで冷凍すると解凍後の食感が悪くなるので、薄切りを意識してください。

● 解凍方法

流水・常温解凍により、食感が残ります。

● 調理例

シャキシャキ感が残るので、酢の物やサラダのトッピングなどに使用できます。

今回ご紹介した夏野菜のほかに、レタスを冷凍、解凍するとしんなりした食感になりますが、スープととても相性がよくなるなど、解凍することで新しい楽しみ方との出会いが生まれることもあります。

長く保存ができる冷凍とともに、おいしくいただくための解凍を意識して、野菜の変化も楽しみながら、ご自身にとっての便利な活用方法を見つけてみてください。

監修/根本早苗
野菜ソムリエプロ、冷凍生活アドバイザー、食生活指導士。「もっと簡単に栄養満点な食卓を」の思いのもと、時短・栄養UPレシピを多数のメディアで発信中。野菜栄養講座・つくりおき冷凍レシピ講座の開催などを通して、野菜摂取量底上げのための活動を行う。
参考文献:
『冷凍・冷蔵のコツ&使えるレシピ』(オレンジページ)
『下ごしらえと調理のコツ便利帳』松本仲子監修(成美堂出版)
『生のまま野菜冷凍術+肉と魚の冷凍術』島本美由紀著(ぶんか社ムック)
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