毎日の料理に欠かせない野菜を、上手に使い切れていますか?
旬の野菜が手に入っても、すべてを無駄なくおいしいうちに調理するとなると、かなり計画的に献立を考えなければいけません。
そこでマスターしておきたいのが、保存期間を長くし、無駄なく食材を使い切れる冷凍保存。
旬の時期にまとめ買いすれば、おいしく、価格も手ごろなので節約にもつながります。
ただ「冷凍保存」といっても、丸ごと保存すればいいのか、カットした方がいいのか、また、生のままがいいのか、茹でた方がいいのかなど、疑問はたくさん。
今回は、冷凍生活アドバイザーの資格を持つ野菜ソムリエプロの籠谷めぐみさんに、冷凍保存の基本から解凍後の調理方法を教えていただきました。
① 新鮮なうちに即冷凍
野菜は日ごとに鮮度が落ちていくので、購入した当日に冷凍するのが理想的です。
② カットするサイズを揃える
同じ大きさに揃えておくことで均一に冷凍され、調理時の加熱のムラも防ぐことができます。
③ 小分けにして、しっかり空気を抜く
小分けにすることで効率的に冷凍ができ、調理に使うときにも便利です。ラップに包んだり保存袋に入れる際に、しっかりと空気を抜くと、野菜を変色や乾燥から守ることができます。
④ できるだけ早く冷やす
急速凍結がおいしさのポイント。野菜の水分を拭き取り、薄く平らに広げて冷凍することで、均一に素早く凍らせることができます。
トマト
トマトは冷凍することで甘みや旨みがアップ。丸ごと冷凍する場合にはヘタをとってラップで包み、保存袋に入れます。また、ざく切りにしたトマトは保存袋に入れて、空気を抜いて冷凍します。
<おすすめ調理例>
丸ごと冷凍したトマトは、水をかけると簡単に皮がむけます。おろし器ですりおろすと、トマトシャーベットが完成。デザートや前菜におすすめです。
カットして冷凍した場合、凍ったまま加熱調理をすれば、短時間でなめらかでおいしいトマトソースがつくれます。カレーやスープにも気軽に加えてみましょう。
玉ねぎ
冷凍すると繊維が壊れて旨みや甘さが出やすくなり、さらにおいしくなります。みじん切りにした玉ねぎを、保存袋に入れて平らに広げ、空気を抜いて冷凍します。
<おすすめ調理例>
凍ったまま炒めてOK。炒め物や煮込み料理、ハンバーグの具として便利です。
じゃがいも
生のまま冷凍すると、解凍時に水分が出て食感が悪くなってしまいます。まずは蒸し、 そのまま少し時間を置いて水分をしっかり飛ばしてから厚めに切ってラップで包み、保存袋に入れて冷凍庫へ。マッシュしておいてもかまいません。
<おすすめ調理例>
電子レンジなどで解凍をしてポテトサラダに。小さめにカットして冷凍しておけば、そのまま揚げてポテトフライになります。
にんじんは冷凍すると、食感が悪くなってしまいます。しかし、薄切りをマリネにしてから冷凍しておけば、解凍してもそのままおいしくいただけます。
キャベツやきゅうりなど水分の多い野菜は、あまり冷凍保存に向いていません。薄くスライスをして塩もみし、水分を抜けば冷凍保存しやすくなります。全体の重さの約1%の塩をふりかけ、水分が出てしんなりしてきたら軽く揉んで水気を切り、保存袋へ入れて冷凍しましょう。
● オリジナルミックスベジタブルをつくる
にんじん、いんげん、アスパラ、玉ねぎなどの野菜を粗みじんにし、電子レンジで1~2分間加熱。粗熱が取れたらコーンを加えて混ぜ合わせて冷凍します。ポイントは水分をしっかり拭き、空気を抜いて保存袋に入れること。好きな野菜でアレンジできますし、お弁当などにも便利です。
● 凍ったまま味わう
丸ごと冷凍したトマトはすりおろしてシャーベットにして、塩とオリーブオイル、または砂糖やはちみつをかけるとおしゃれなスイーツに。プチトマトは、そのまま食べても美味。アボカドは半解凍のまま皮をむき、はちみつをかけてそのままいただくと、アイスクリームのような食感が楽しめます。
● 塩フリージング
食材を冷凍する際に塩をふる、塩茹でする、塩水につけるなど、ひとてまを加えるのが塩フリージング。鮮度が保たれ、解凍した後に味付けの必要がないメリットもあります。
野菜を上手に冷凍保存しておけば、「料理時間を短くしたい」「もう一品増やしたい」など、いろいろなシーンで助けになりますし、毎朝お弁当をつくる方にとっても役立ちます。
これからの季節は、ねぎや生姜、みょうがなど、薬味のみじん切りを冷凍しておけば、冷たい麺や冷奴などを食べるときにも大活躍してくれます。
ひと工夫して冷凍しておくだけで、野菜のおいしさが長く楽しめる冷凍保存。
ぜひマスターして、毎日の食事づくりに役立ててください。