取材スタッフ:今日はお世話になります!残暑の季節ではありますが、津軽の風は、すでに秋の気配も含んでいるようです。
在来津軽「清水森ナンバ」ブランド確立研究会・会長
中村元彦さん(なかむら・もとひこ)(以下、中村さん):そうですね。これからどんどん寒くなりますね。でも私はカゴメの「毎日飲む野菜」を毎日飲んでいますので、一年中元気ですよ!

(写真:左が中村さん、右が生産者の佐藤俊治(さとう・しゅんじ)さん)
取材スタッフ:ご愛飲ありがとうございます!ところで、清水森ナンバが栽培されるようになったきっかけを教えていただけますか?
中村さん:約400年前、津軽藩藩主の津軽為信(ためのぶ)公が京都の伏見からこの唐辛子を持ち帰ったのがきっかけです。お城があった清水森地区で栽培が始まったのですよ。
取材スタッフ:とても長い歴史なんですね!
中村さん:しかし、清水森地区にはナンバの乾燥小屋が多く、火事が頻繁に起きました。また、嫁は、朝から晩までナンバの世話。その手でお乳をあげるものだから、赤ん坊は辛くて飲めずに大泣きをする。「清水森には娘を嫁に出すな」とまで言われたんですよ。
取材スタッフ:それは大変でしたね。でもそれほど栽培が盛んだったのですね。
中村さん:昭和40年頃には、海外産に押されて栽培が激減しました。それでも、弘前大学の教授が、おいしさや栄養価に注目して研究を重ね、次第に栽培の基盤が確立されるようになったのです。
取材スタッフ:大学の先生も清水森ナンバに注目されたのですか?
中村さん:そうなんです。研究の結果、栄養成分が豊富で、辛さは標準的な唐辛子より格段に低いということが分かりました。現在、清水森ナンバの種は、トウガラシ博士と呼ばれる弘前大学の前田智雄教授の手でしっかりと管理されているんですよ。
取材スタッフ:大学が研究してくれるのは、心強いですね。
中村さん:そうですね。しかも、2020年には、青森県庁に推奨してもらい申請をした、農林水産省の「地理的表示(GI)保護制度(地域に根差した農林水産物や食品のブランドを守ることを目的とし産品の名称を知的財産として登録する制度)」にも登録されました。
取材スタッフ:清水森ナンバは、まさに産学官連携の作物なんですね。