取材スタッフ:ところで、大朏さんはどのようなサイクルで、きゅうりを栽培されているのですか?
大朏さん:1年に2回植えます。12月に定植して2~6月に収穫する冬春作、8月に定植して9~11月まで収穫する夏秋作です。
取材スタッフ:連作障害(同じ作物を同じ畑でつくり続けることによって起こる障害)を防ぐためにどのような工夫をされているのですか?
大朏さん:収穫が終わったら、土にフスマ(麦かす)を混ぜて畑に水を張ります。発酵の力で土を酸欠状態にするんですね。そうすると有害菌が死滅します。還元消毒という、地球に優しい方法なんですよ。
取材スタッフ:自然の力ってすごいですね。
大朏さん:これだけではありませんよ。土を温めるのも、自然の力を利用しています。
取材スタッフ:え?土を温める?どうしてですか?
大朏さん:根の発育を促すためです。根がしっかりしていないと、元気なきゅうりが実りませんからね。
取材スタッフ:でも、自然の力で土を温められるものなのですか? 太陽の光を当てるとか、そういうことですか?
大朏さん:「発酵熱」を利用するんですよ。土の中に、藁、米糠、大豆、菜種かすを混ぜ込むと、発酵して土の温度を4~5℃上げることができるんですよ。昔からの方法ですね。
取材スタッフ:電気やガスを使わなくても、土の温度が上げられるなんて驚きです。昔の人の知恵はすごいですね。