取材スタッフ:ハウスがいくつもありますが、中の様子はそれぞれ違うようですね。
有馬さん:そうですね。ハウスごとに時期をずらして、途切れなく出荷できるようにしています。奥の方には、種を発芽させる育苗ハウスもあります。
取材スタッフ:種蒔きしてから、どれくらいに育ったら定植するのですか?
有馬さん:葉が2枚から2枚半ぐらいになったら定植します。ちんげん菜って、根に近い部分が、ツボのように、ふっくらと膨らんでいるでしょう?あの形が偏らないように、垂直に定植します。
取材スタッフ:出荷時の形にもこだわって定植していらっしゃるのですね。ところで、一年中、高い品質を保つには、季節ごとのお世話もいろいろ違ってくるのではないですか?
有馬さん:そうですね、たとえば春は「光を観察すること」が大事なんですよ。
取材スタッフ:光…ですか?
有馬さん:春は、空気が十分に温まっていなので、日が陰ればすぐに温度が下がってしまいます。その急激な温度差は、作物にはよくないんです。だから光をよく観察して、それに対応した温度管理をしていきます。
取材スタッフ:なるほど。では夏はどのようなことに気を付けますか?
有馬さん:夏は、害虫の活動が活発になりますから、害虫に気を配ります。防虫ネットや捕虫テープなどを活用して、使用する薬が最小限で済むようにしています。
取材スタッフ:暑い中のハウス作業は大変ですね。では秋はどのような世話を?
有馬さん:長雨や台風の時期となりますね。作物内の水分が多すぎると葉が変色してしまうので、水はけに注意するようにしています。
そして冬ですが、保温と換気が重要になりますね。行方は、冬の夜ならマイナス10℃ぐらいになり、作物が凍ってしまうんです。そうすると、根元の膨らみが割れて商品にならなくなります。そうならないように、ハウスのビニールを二重にして暖房をし、タイミングを見計って換気をしますね。
取材スタッフ:私たちが普段、ちんげん菜を一年中おいしく食べられるのも、農家の方の、四季の変化に対応したお世話があってこそなんですね。