取材スタッフ:では逆に、どんなことに苦労されるのですか?
大波さん:ここでは、加工用としても生食用としてもおいしいスイートコーンを栽培しています。スイートコーンは、害虫や病気にも比較的強いんです。しかし、ほったらかしでいいかといえば、全くそうではない。要所要所で世話を怠ると、すぐにだめになります。当然ですね(笑)。そこには、やはり、人の目が必要なんです。ですから、いつも畑に足を運んで、観察するようにしています。
取材スタッフ:なるほど、人の目が大切なんですね。種蒔きはいつ頃ですか?
太田さん:5月の下旬頃になりますね。専用の機械で2、3粒ずつ蒔いていきます。発芽から1週間したら間引き。2、3本の中から一番しっかりしている苗を残す。これは機械ではできない作業ですから、ひとつひとつ人の手でやっていきますよ。
取材スタッフ:ひとつひとつですか?! 気が遠くなる作業ですね!
太田さん:そうですね(笑)。また、肥料も、ただ、与えればいいというものではありません。とうもろこしは最初に肥料を与えすぎると、根が焼けてしまうんですよ。だから最初の肥料は、ほどほどにしておく。そして花が咲く前に、肥料を追加するくらいがちょうどいいんですね。
取材スタッフ:根が焼ける…なるほど。で、その花はいつ頃咲くのですか?
大波さん:7月下旬頃ですね。とうもろこしには雄花と雌花があるんですよ。茎の先端にできる穂のようなものが雄花、葉の脇からモジャモジャっと出るのが雌花です。これが風によって受粉されます。この頃、1回だけ消毒を行います。ラジコン・ヘリコプターを使ってね。
取材スタッフ:ラジコン・ヘリコプター! スケールが大きいですね。
太田さん:受粉が終わった頃を見計らって穂先を切ってやる作業もありますね。それをすることで、倒れるのを防ぐことができます。また、穂先を切ることで、上へ上へと生長しようとする力が止まるんです。それでその分、栄養が実のほうに回るようになるんです。
取材スタッフ:黄色い実が先端までびっしり詰まっているとうもろこし、おいしいですよね。