中川猛さん(以下、中川さん):いらっしゃい、ようこそ!
取材スタッフ:今日はお世話になります。とてもきれいな畑で気持ちがいいですね。大豆ものびのびと元気よく生長しているように見えます。
中川さん:今年は雨が少なく、日照時間が多かったので絶好調です!とても順調に育っていますよ。
取材スタッフ:では収穫も期待できますね。
中川さん:いやー、気は抜けませんね。私は、大袖大豆とユキホマレの2種類の大豆を育てているのですが、ユキホマレは、わかりやすくて育てやすい。でも大袖大豆は、掴みどころがないんです。どう転ぶか、分からないので、最後まで安心はできません。だからこそ夢中になるのかもしれませんが(笑)。
取材スタッフ:大袖大豆とユキホマレ、具体的には、どんなところが違うのでしょうか?
中川さん:まずは種蒔き時の株間ですね。ユキホマレは株と株の間が18センチなのですが、大袖大豆は26センチ間隔で種を蒔きます。ユキホマレは密植に適していますが、大袖大豆は密集して育てると、ひょろひょろと上にばかり伸びて倒れやすくなるんです。できるだけたくましく育ってもらうために株の間を広くしています。風通しもよくなるので虫も付きにくくなります。
取材スタッフ:同じ大豆でもかなりタイプが違うのですね。でも、株間の差が8センチもあると、収量がそれだけ少なくなる心配はありませんか?
中川さん:収穫する本数は減っても、一粒一粒が大きく、糖度が高い大豆が収穫できれば、全く問題はありません。私は現在、株間30センチにも挑戦しているんですよ。
取材スタッフ:発芽後の世話にも違いがあるのでしょうか?
中川さん:大袖大豆は、生長途中で倒れてしまわないよう、土寄せが必要です。倒れると病気になりやすくなり、風通しも悪くなりますから。草を刈りながら、畝に土を寄せていって根元をしっかりと補強します。夏は害虫も雑草も活動が活発になりますので、こうした世話が必要になります。
取材スタッフ:大豆といえば夏場は枝豆。そういえば大袖大豆の枝豆って…?
中川さん:もちろんありますが、残念ながらお店には出ません。でも農家は食べますよ。生長確認のためにもね。ここだけの話、これがすごくおいしいんです。息子が1歳ぐらいの時、いろいろな枝豆を食べさせたのですが、大袖大豆の枝豆ばかり食べていましたよ。