おいしさの故郷 インタビュー #野菜が好きだ

だいこん(千葉県袖ケ浦市)

千葉県・房総半島のほぼ中央に位置する袖ケ浦市。
温暖な自然環境の中で、たくさんの野菜が育てられています。特に冬だいこんは肌のきめが細かくみずみずしいと評判です。今回は会報誌「自然といっしょ」2016年4月号で取材した袖ケ浦の中根新太郎(なかね・しんたろう)さんのだいこんづくりをあらためてご紹介します!

いつも全力投球で、
おいしいだいこんづくりに
取り組んでいます!

取材スタッフ:今日はお世話になります!ところで中根さんは、農家何代目ですか?

中根新太郎さん(以下、中根さん):4代目でしょうかね。本格的にやりだしたのは父の代からのようです。自分は、人生ちょっと遠回りしてから(笑)、後を継いで10年以上になります。

取材スタッフ:とてもりっぱなだいこんですね。

中根さん:旬のだいこんは、みずみずしくて柔らかいですよ。今日は1,200本ほど収穫しました。今日のうちに洗って箱詰めして、市場へ持って行ってもらいます。1 箱8本だから150箱になりますね。

取材スタッフ:畑の土がとてもフカフカですね!

中根さん:酪農家さんや米農家さんから牛糞や米糠をもらっているんです。これらをたっぷりすき込んで土をつくっています。

(↑写真:フカフカの土で、みずみずしいだいこんが育ちます)

取材スタッフ:だいこんは、どのようなサイクルで栽培をしているのですか?

中根さん:10月から6月まで、だいこんに関わっていますね。

取材スタッフ:長いんですね。

中根さん:1種類ではなく、いろいろな品種を、時期をずらしながら栽培しています。

取材スタッフ:種蒔きの10月というと、台風や秋雨が心配な季節ですね。

中根さん:そうなんですよね。天気予報を聞いて種蒔きの時期を決めます。でも、その後の生育にも影響するので、あまり遅れないように気をつけていますよ。

取材スタッフ:発芽したらどんなことに注意をするのですか?

中根さん:本葉が2~3枚の頃がいちばん弱いんですよね。その頃に風に当たると簡単に倒れたり飛んでいったりしてしまうので、それを防ぐために土寄せをします。苗に土を寄せて補強するんです。土を耕すことにもなるので、同時に雑草避け効果も期待できます。

(↑写真:中根さんの後ろには、富士山が見えます)

マリーゴールドを植えて
害虫を予防。

取材スタッフ:だいこんの天敵は、アブラムシと聞いていますが。

中根さん:そうですね、あとイモムシ系の虫もいますね。最低限の農薬は使いますが、あまり使いたくない。でも1匹1匹対応していくのも大変なんですよね。

取材スタッフ:では、どうするのですか?

中根さん:マリーゴールドを使うんです。

取材スタッフ:マリーゴールド?! お花の?

中根さん:そう。だいこんを植える前の畑にマリーゴールドを植えるんですよ。その間は畑一面、お花畑になります(笑)。それを土にすき込むんですね。マリーゴールドには害虫が嫌がる成分が含まれているので虫が寄ってこなくなるし、土の栄養にもなるんですね。手間とコストはそれなりに掛かりますが、農薬がずいぶん減らせるんですよ。

取材スタッフ:作物にも土にもうれしい、自然にやさしい農法なんですね。

中根さん:スベスベ肌の、みずみずしくて柔らかなだいこんができますよ。あとは生育状況をよく観察して収穫を待ちます。畑が4haぐらいあるので、事前に畑の区画のローテーション計画を立てて無駄のないように作業を進めていきます。

取材スタッフ:そうやりながら収穫を迎えるわけですね。だいこんは1 本1 本が大きいから大変ですね。

中根さん:はい、手で1 本1 本抜いていきます。寒い、重い、つらい...の収穫が始まります(笑)。でも働くのは好きだから、ガンガンやっているうちに寒さも忘れてしまいますよ。パートさんや家族が頑張ってくれていますから心強いです。ピーク時は1日3,000本ぐらいでしょうか、平均すると1日あたり2,000本ぐらい。畑で葉を切り落として、納屋で水洗いするまでが午前中の作業。午後は箱詰め作業になります。

取材スタッフ:午前中からかなり忙しいのですね!

手を抜けば畑は簡単に壊れる。
30 年後も
「生きている畑」で農業を。

取材スタッフ:中根さんが栽培を行う上で心掛けていることは何ですか?

中根さん:マリーゴールドもそうですが、なるべく自然の力に目を向けて、できる努力をするようにしているんです。農業は自然の中でやる仕事ですから、手を抜けば畑はすぐに壊れる。畑を壊すなんて簡単なんですよ。でも私は、30年後も生きている畑で農業がしたいんです。

取材スタッフ:「生きている畑」!すばらしいですね。

中根さん:農業って、私だけの力でバッチリつくれるわけではないんですね。JAの方、仲間、種苗会社さん、作業を支えているパートさん、もちろん家族。そのつながりは大事かなと思います。とても感謝しています。

取材スタッフ:そんなご自分に点数をつけるとしたら?

中根さん:うーん、70点ぐらいかな?!甘いですか? 俺、こう言っちゃ何ですが、けっこう頑張ってるほうです(笑)!妻がブンブン働く働き蜂をイメージしてイラストをつくってくれたのですが、それがうちの農場「シンタロー農場」のトレードマークにもなっています。

取材スタッフ:ブンブン働く中根さん、頼もしいですね。

中根さん:真面目にやれば作物は応えてくれる。難しい壁に直面した時も、頑張って、考えて、調べて、軌道修正すれば何とか光が見えてくる。そうやってバッチリ収穫できた時の喜びは格別です。それがあるからやめられないのかな。真面目が大事!これからもインチキはナシ!正々堂々と真正面から、農業に取り組んでいきたいです!

大きな体をフル回転させ働く中根さん。話す時も、笑う時も、もちろん作業も全力投球。とても力強い生産者様の姿がそこには、ありました。

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