香味野菜とは、しそやねぎ、しょうが、みょうがなど、料理を引き立てるために添える野菜のこと。
独特の香りや豊かな風味、鮮やかな色彩がアクセントになり、シンプルな料理を味わい深くしてくれる存在です。
食欲の減退が気になる夏は、しっかりと食事を摂るために、香味野菜のチカラをかりることも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、食卓の名脇役・香味野菜にスポットを当て、おいしく食べる下ごしらえやアレンジ技などを、ABC HEALTH LABOにおうかがいました。
香味野菜を使う目的は?
料理の香りを高めて食欲を刺激したり、彩りを加えたり、味を引き締めて深みを出したりするなど、さまざまな用途があります。
香味野菜と薬味の違いは?
香味野菜は、香りづけや風味づけに用いる野菜。肉や魚の下ごしらえで、臭み消しとして使う場合もあります。
一方、薬味はできあがった料理に添え、味や香りから食欲をそそらせるもの。香味野菜のほか、海苔や七味唐辛子などの乾物、ハーブ類、調味料、果物なども含みます。
香味野菜のうれしい働きとは?
ねぎ、にんにく、山椒などには殺菌、抗菌作用が期待できます。わさびにも抗菌作用が期待できます。体温を上げるとされているのは、しょうがや唐辛子。消化にうれしいとされているのは、みょうが、わさび、ディルなどです。セロリやミントは気持ちをリラックスさせてくれるといわれています。
しょうが
古くから中国では漢方に利用されています。加熱することで血行促進効果も高まり、冷房などで冷えた体を温めてくれます。
● 下ごしらえ
皮にある風味成分を逃がさないよう、皮ごと使うか、スプーンで擦るように皮をむきましょう。
● 保存方法
ラップか湿らせたキッチンペーパーで包んで乾燥を防ぎ、野菜室で冷蔵保存。冷凍する場合はすりおろして小分けにし、ラップで包んでおきましょう。
みょうが
みょうがの香り成分には、食欲増進や消化、発汗を助ける効果が期待できます。夏バテ予防におすすめです。
● 下ごしらえ
生で食べる場合は数分水につけてアク抜きをしましょう。食べる直前に切ると、香りが飛ぶのを防ぐことができます。
● 保存方法
乾燥を防ぐため、ラップで包み野菜室で冷蔵保存を。小口切りして冷凍保存も可能です。
しそ
さわやかな香りが食欲を刺激。防腐作用も期待できることから、生ものに添えても活躍してくれます。
● 下ごしらえ
かたい茎の部分を切り取って冷水につけ、葉がシャキッとしてから調理します。
● 保存方法
湿らせたキッチンペーパーで包み、ビニール袋などに入れて野菜室で冷蔵保存します。
ねぎ
関東では根深ねぎ(白ねぎ)、関西では葉ねぎ(青ねぎ)が主流。ねぎの香りや辛み成分は、消化促進や食欲増進へと導いてくれます。
● 下ごしらえ
小口切りか千切りにして薬味に。辛みが気になる場合は水につけましょう。
● 保存方法
湿らせたペーパーで根元を包み、コップなどに立てておきます。冷凍保存をするときは小口切りに。
にんにく
香りづけの代表格。スタミナがつく野菜としても知られ、疲労回復の働きがあるといわれています。
● 下ごしらえ
切ったりつぶしたりすると香りが高まります。にんにく片の芽は加熱調理時に焦げやすいので、取り除いておきましょう。
● 保存方法
冷蔵は不要です。かごなどに入れ、風通しの良い場所に吊るして保存します。
使い勝手抜群!薬味ミックス
しそ、ねぎ、しょうが、みょうがなど、香味野菜を刻んで混ぜておけば、いろいろな場面で活用できます。
例えばサラダに混ぜて和風に仕上げたり、味噌を加えて刺身と和えたりすれば、なめろう風に。
創作麺に!薬味だれ
薬味に調味料をプラスした簡単なたれは、麺料理のアレンジにおすすめです。
しそ、トマト、にんにくをオリーブオイルとめんつゆで和えてそうめんに加えればイタリアン風に、白髪ねぎのコチュジャン和えをうどんにトッピングすれば、韓国風になります。
彩りをプラス!パセリライス
ビタミンエース(A・C・E)やカリウム、カルシウムなどのミネラル類がたっぷりのパセリ。みじん切りにして炊きたてのごはんと混ぜ合わせてカレーやシチューに添えれば、栄養も彩りもプラスできます。
肉&魚料理に!香味野菜あん
しそやセロリ、ねぎ、しょうがなどの香味野菜でつくったあんを、グリルした肉や魚のフライにかけましょう。さわやかで夏らしい一品ができあがります。
香味野菜は夏に旬を迎えるものがたくさんあります。
おいしいうえに価格もお手頃なので、毎日の食卓に取り入れやすいこともうれしいもの。
さらに、旬の野菜は栄養価が高まっているため、脇役的な存在ながら、主役料理に負けないパワーを秘めています。
夏の暑さに負けない元気を保つためにも、料理をおいしく、楽しくいただくためにも、香味野菜を活用してみてください。