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Vol.28 水につけると、野菜はもっとおいしくなる

毎日の食卓に欠かせない、多くの野菜。
おいしく食べるためには、ちょっとした下ごしらえが大切になります。
今回、注目するのは、「水につける」という方法です。

ひと言で「水につける」といっても、水は常温や冷水、氷水から酢水などたくさんの種類がありますし、水に入れるタイミングなど、野菜の種類や水につける目的によって、最適な方法は少しずつ異なります。

実は奥深い、基本の下ごしらえ「水につける」。
その目的や野菜ごとの対処法について、服部学園の平塚未来先生にうかがいました。

水につけるときのポイント

水の量は十分に用意する

水分を多く吸う野菜もあるので、大きめのボウルを用意し、野菜が完全に沈むほどの量の水を入れましょう。

目的にあわせて水の温度を変える

野菜をシャキッとみずみずしくさせたい場合や、茹でた野菜を水につける場合は、氷水または冷水を準備しましょう。変色を防ぎたいときは、常温の水で大丈夫です。

水につける時間は5〜10分

野菜の種類や状態にもよりますが、水につける時間の目安は約5〜10分。水溶性の栄養成分が流れ出てしまわないよう、千切りや薄切りにした野菜の場合は、1分程度でかまいません。

水につけた後はしっかりと水切りを

おいしく味わうための下ごしらえなのに、水をきちんと切らないと水っぽくなってしまいます。水につけたあとそのまま食べるときは、水切り器を使ったり、ペーパータオルでしっかり拭き取ったりして、丁寧に水気をとってください。加熱調理をする場合は、ザルなどで水気を切っておきましょう。

水につけるタイミング

変色を防ぎたいときは、切ってすぐ

じゃがいも、ごぼう、れんこん、なすなどは、切り口が空気に触れると酸化がはじまり変色してしまいます。切ってすぐに常温の水につけましょう。

野菜をシャキッとさせたいときは

レタスやキャベツ、きゅうり、セロリなどを生のままいただく場合は、冷水または氷水につけると、水分が野菜の細胞に入り込み、みずみずしくなります。

茹でて使う野菜は、茹でたあと

ほうれん草、小松菜、水菜、ブロッコリーなど、茹でて調理する野菜は、茹でたあと冷水につけるとアク抜きになり、さらに、火の通り過ぎを防いでくれます。

茹で野菜でも白菜、もやしなどは水分が多く、水につけるとより水っぽくなってしまうため、水につける必要はありません。茹でたあと、ザルにあげてそのまま冷まします。

野菜ごとに違う、おいしくなる水のつけ方

● ほうれん草

熱湯で茹でたあと、すぐに氷水か冷水につけるとえぐみなどのアクが和らぎ、鮮やかな色が保たれます。冷めたら水気をしぼって使います。

● 玉ねぎ、長ねぎ

生食する場合は、薄切りにして常温の水に1分ほどつけましょう。辛み成分が抜けて、食べやすくなります。長ねぎを水につけると、ぬめり取りの効果もあります。

● じゃがいも、さつまいも、なす

アク抜きと変色を防ぐため、切ったものからすぐに常温の水に5〜10分つけておきます。なすは切り口を水につけるよう意識してください。
また、さつまいもはアクが強いので、きんとんなど長時間煮る場合はミョウバン水(水200cc:ミョウバン1g)につけるとよいでしょう。水が白く濁る場合がありますが、ザルで水を切り、そのまま調理してもかまいません。

● ごぼう、れんこん

常温の水につけると、アク抜きと変色防止になります。より白くきれいに仕上げたいときは、酢水(水200cc:酢小さじ1/2)に5〜10分程度つけましょう。
ごぼうはアクが強く、水が徐々に濁る場合があるので、その際は水で洗い流し、再度新しい水につけましょう。

野菜を水につけるだけで、食感がよくなったり、苦みや渋みが和らいだり、素材の色を美しく保ったり。
簡単で、短時間にできる下ごしらえなのに、うれしい魅力がたくさんあります。

毎日を元気に過ごすには、野菜をおいしく食べられることはとても大切です。
今日のお料理に使う野菜を、少しの時間だけ水につけてみませんか?

監修/服部学園 平塚未来
調理師学校を卒業し有名料亭やホテルに勤務後、服部学園へ。日本料理専門調理師・技能士、すし料理専門調理師・技能士、麺料理専門調理師・技能士、などの資格を持つ。
ご紹介した「ひとてま」はいかがでしたか?

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