笑顔とおいしいを、もっと。ひとてま上手

ひとてま上手一覧へ

Vol.26 野菜と塩の、おいしい関係

どんな料理にも欠かせない塩。
食材に下味や塩味をつけたり、料理の味を調えるなど、調理のあらゆる場面で登場する、使用頻度が高い調味料です。

調味料といっても、塩の使い道は味つけだけではありません。
野菜の下ごしらえや保存の際にも活躍してくれる、野菜とは切っても切り離せない関係です。

今回は野菜ソムリエプロの安西理栄さんに、野菜をもっとおいしくする塩の活用法を伺いました。

塩が役立つ、野菜の下ごしらえ

● 塩揉み

野菜に塩を振りかけ軽く揉むと、水分が抜けてしんなりし、適度に下味がついておいしく食べられます。

<適した野菜>
きゅうりや大根、かぶのサラダや和え物、即席漬けをつくるときだけでなく、ゴーヤなど苦みの強い野菜は、塩もみをしておくと苦みが和らぎます。
また、里芋などは皮をむき塩もみをして洗い流せば、ぬめり取りに。それでも気になるときは、沸騰したお湯で1~2分茹でるといいでしょう。

● 板ずり・塩ずり

呼び方には地域差もありますが、まな板の上に野菜を置いて塩を振り、手のひらでゴロゴロと転がすことを板ずり、一つひとつ手でこすることを塩ずりといいます。

<適した野菜>
きゅうりやふきは色鮮やかに、しんなりとやわらかくなります。オクラは茹で上がりの色が美しくなるほか、表面のうぶ毛が取れて口当たりがよくなります。

● 塩茹で

野菜を茹でるときに、塩を入れます。塩の量は湯に対して1%前後が目安。塩の量が多いと塩味がつき、色も悪くなるので注意が必要です。

<適した野菜>
青菜やいんげん、アスパラガスは色がより鮮やかになります。ほうれん草などアクの強い青菜は塩茹でするとアク抜きに。

塩を使って、野菜の保存

● 塩漬け

塩、野菜、塩、野菜と交互に重ねてフタをし、重石を乗せます。材料に対する塩の割合は10~15%。浅く漬けて2~3日で食べきる場合には、2~3%程度の塩でもかまいません。お好みで昆布や唐辛子、柚子などを一緒に漬けると、風味やうま味がプラスされます。

<適した野菜>
きゅうり、ナス、白菜、菜の花、山菜、たけのこ、きのこなど。

● 塩フリージング

薄切りや千切りにした野菜を、重量の1%程度の塩で揉んで5分置きます。水気を切ってから冷凍用保存袋に薄く平らに入れ、空気を抜いて冷凍庫で保存します。

<適した野菜>
大根、きゅうり、キャベツ、にんじん、タマネギ、ナス、ゴーヤ、セロリなど。

野菜をおいしく食べる、塩の活用法

万能調味料「トマト塩」をつくる

刻んだトマト、塩(トマトの重量の約10%)、はちみつ(塩の半量~同量)、すりおろしニンニクを保存容器に入れて完成。ニンニクの代わりにショウガを使うのもおすすめです。
炒めものの調味料に、酢とオイルを合わせてドレッシングにするなど、活用方法はさまざま。こしょうや七味、ごま、ハーブなどスパイスを加えてアレンジを楽しむこともできます。

季節野菜のポタージュをつくる

塩が野菜のうま味、甘みを引き出してくれるので、調味料は塩とこしょうのみで充分。
とうもろこしやかぼちゃなどの定番食材はもちろん、春におすすめなのは「春キャベツと新じゃが」です。ざく切りしたキャベツ、薄くスライスしたジャガイモ、水、塩を鍋で煮込んで、野菜がやわらかくなったらブレンダーでペースト状に。牛乳でのばし、塩こしょうで味を調えましょう。

野菜のナムルをつくる

もやしなどを使った韓国料理のイメージが強いナムルですが、さまざまな野菜でおいしくつくれます。旬の野菜に塩、ゴマ油、いりごまを混ぜるだけ。これからの季節は菜の花のナムルがおすすめです。

野菜をおいしく、美しくしてくれるうえ、長期保存にも活用できる塩は、野菜にとってうれしい存在。
旬の野菜と塩があれば、簡単においしい一品がつくれます。

塩を味つけに使う際は、少しずつ加えるのが原則。
味見をしながら、量を調節してくださいね。

塩を上手に使いこなして、毎日の食卓を野菜料理で彩ってみませんか?

監修/安西理栄さん
野菜ソムリエプロ、ジュニア食育マイスター、ベジフルビューティーセルフアドバイザー、フードツーリズムマイスターなど数多くの資格を取得。セミナー講師、レシピ開発、コラム執筆を通じて、季節野菜を楽しむコツを伝える。
ご紹介した「ひとてま」はいかがでしたか?

他の記事を見る

健康直送便カゴメ