
料理に爽やかな香りや彩りを添えてくれるハーブ。
いつものひと皿にちょっとした変化をもたらしてくれる、
頼りになる存在です。
ハーブの歴史は古く、
医学の祖といわれるギリシャのヒポクラテスは、
紀元前400年頃に、
400種類前後と言われるハーブの処方を残していたそう。
ハーブの英訳は「薬草」。
ヨーロッパでは伝統医学として発達し、
いつしか食用にも使われるようになりました。

もちろん、日本にもハーブ文化は根付いています。
日本固有のシソ、ショウガ、サンショウ、ワサビなど、
古人が生活の知恵を重ねて、食生活に取り入れてきました。
今回は、料理にひもづくハーブの活用法を
ハーブ料理の教室を主宰している大平美弥さんに伺いました。
焼く前に加えたり、炒め油を熱しているときに香りを移したり、素材と一緒に焼くことで、ハーブの魅力が食材に移ります。徐々に香りや辛みを引きだすため、ホールが適しています。
サラダやポタージュなどのスープ、肉、魚、デザートと幅広く使えるディル、魚介類と相性のいいチャービル、卵料理に多用されるパセリなど、葉がやわらかく、香りがマイルドなものがいいでしょう。
トマト×バジルはもはや王道。サラダやスープ、パスタ、ピザに用いられます。また、ヨーグルト、クリームチーズ、マヨネーズと合うディルは、葉を刻んでディップやドレッシングにすると、多彩な野菜と一緒に味わえます。スイーツの飾りとして人気なのはチャービル。特にキャロットケーキと相性抜群です。
フレッシュハーブをよく洗い、熱湯を注ぐだけ。手軽なのに香り豊かでリラックス効果が高い、ハーブティーの完成です。ハーブは1種類だけでも充分ですが、ブレンドして自分好みの味わいを見つけるのもお楽しみ。たとえばスペアミントとペパーミントを混ぜると、香りがより豊かになります。
味、香り、彩り、あらゆる面で
ふだんの食卓を一層豊かにしてくれるハーブ。

基本的な知識さえ知っておけば、
活用できるシーンの多さに驚くはず。
いつも使っている定番のものだけでなく、
これまで手に取ったことがないハーブにも
ぜひ目を向けてみてください。
自然の植物の力で、
完成したお料理の表情もイキイキと輝きます。
今日からひと振り、してみませんか?