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Vol.3 ハーブはお好き?

料理に爽やかな香りや彩りを添えてくれるハーブ。
いつものひと皿にちょっとした変化をもたらしてくれる、
頼りになる存在です。

ハーブの歴史は古く、
医学の祖といわれるギリシャのヒポクラテスは、
紀元前400年頃に、
400種類前後と言われるハーブの処方を残していたそう。

ハーブの英訳は「薬草」。
ヨーロッパでは伝統医学として発達し、
いつしか食用にも使われるようになりました。

もちろん、日本にもハーブ文化は根付いています。
日本固有のシソ、ショウガ、サンショウ、ワサビなど、
古人が生活の知恵を重ねて、食生活に取り入れてきました。

今回は、料理にひもづくハーブの活用法を
ハーブ料理の教室を主宰している大平美弥さんに伺いました。

魅力がキラリと光る、脇役ハーブのアレンジ法

下ごしらえに使って、いやな臭いを和らげる

食材にまぶすときはパウダー、食材と一緒に漬けこむならホール(葉っぱなど、ハーブそのままの形のもの)を選びましょう。肉や青魚など、気になる臭いを抑えてくれます。

おすすめハーブ

スキッとした強い香りのローズマリー、甘く爽やかな香りのバジルが最適です。

調理の直前や途中で加えて、香りや辛み、色をつける

焼く前に加えたり、炒め油を熱しているときに香りを移したり、素材と一緒に焼くことで、ハーブの魅力が食材に移ります。徐々に香りや辛みを引きだすため、ホールが適しています。

おすすめハーブ

香草焼きやムニエルに使うタイム、脂っこい料理の風味づけに使いやすいセージ、清涼感ある香りがトマト料理とよく合うオレガノなど、香りの豊かなものが向いています。

仕上げにトッピングして、香りや彩りを添える

調理の最後に混ぜたり、完成した料理に振りかけたり飾りつけます。パウダーは瞬時に香りを引き立たせたいときに、飾りにはフレッシュを使って華やかさを演出しましょう。

おすすめハーブ

サラダやポタージュなどのスープ、肉、魚、デザートと幅広く使えるディル、魚介類と相性のいいチャービル、卵料理に多用されるパセリなど、葉がやわらかく、香りがマイルドなものがいいでしょう。

おいしさをそのまま味わう、主役ハーブの楽しみ方

ハーブ×野菜は、最高のパートナー

トマト×バジルはもはや王道。サラダやスープ、パスタ、ピザに用いられます。また、ヨーグルト、クリームチーズ、マヨネーズと合うディルは、葉を刻んでディップやドレッシングにすると、多彩な野菜と一緒に味わえます。スイーツの飾りとして人気なのはチャービル。特にキャロットケーキと相性抜群です。

フレッシュハーブでティータイム

フレッシュハーブをよく洗い、熱湯を注ぐだけ。手軽なのに香り豊かでリラックス効果が高い、ハーブティーの完成です。ハーブは1種類だけでも充分ですが、ブレンドして自分好みの味わいを見つけるのもお楽しみ。たとえばスペアミントとペパーミントを混ぜると、香りがより豊かになります。

知っておきたい、ハーブのあれこれ

Q
フレッシュハーブとドライハーブの使い分けは?
A
フレッシュハーブは、加熱すると変色するものもあるので、そのままサラダとして食べるかトッピングに使うとみずみずしい風味がいかせます。ドライハーブは変色の心配がないため、調理のどのタイミングでも使えます。
Q
ハーブを料理に使う際の注意点は?
A
慣れないうちは少量から使ってみましょう。味見しながら適量を見極めてください。またハーブには苦味成分が含まれるもの、甘味成分が含まれるものがあるため、それらを知ったうえで使えば、失敗を防げます。
Q
定番以外に、覚えておくと便利なハーブって?
A
今回の使用法でも紹介している、以下の4つのハーブは、アレンジ自在でお料理をワンランクアップさせてくれますよ。
セージ
強い香りが特長で、料理をスッキリと仕上げます。クリームやバターソースとも好相性です。
オレガノ
煮込みやパスタ、ピザなど、イタリアでは温かいトマト料理によく使います。ドライが使いやすいです。
ディル
羽のように細い葉が特長で、魚介のマリネなどのトッピングに。刻んでドレッシングなどに加えてもOK。
チャービル
フレンチでよく使われ、甘い香りが楽しめます。料理の風味づけのほか、スイーツともよく合います。

味、香り、彩り、あらゆる面で
ふだんの食卓を一層豊かにしてくれるハーブ。

基本的な知識さえ知っておけば、
活用できるシーンの多さに驚くはず。
いつも使っている定番のものだけでなく、
これまで手に取ったことがないハーブにも
ぜひ目を向けてみてください。

自然の植物の力で、
完成したお料理の表情もイキイキと輝きます。
今日からひと振り、してみませんか?

監修/大平美弥
スパイスライフアドバイザー。東京・二子玉川にて少人数制のスパイス&ハーブ料理教室「Miya Spice Salon」を開催。講演、テレビ・ラジオ出演、レシピ作成、スパイス&ハーブティーの監修などを通し、スパイス・ハーブの楽しさを紹介する。

ご紹介した「ひとてま」はいかがでしたか?
試してみたい!

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