[第三話]
2026.1.20
“プラントベース”のカレー
“野菜のカゴメ”のその先へ
業務用からスタート、“プラントベース”のカレーを一般のご家庭へ。
いま、世界的に注目を集めている“プラントベース”フード。その名の通り、動物性原料を使わず“植物素材だけでつくる食品”のことですが、カゴメでも多様化するニーズにお応えすべく、2019年からまず業務用で販売をスタート。2021年からは、ご家庭用の商品としても販売を開始しています。
実はカゴメ健康直送便でも、人気商品『つぶより野菜』とのセット商品として、『豆と野菜のカレー』3種類を販売しています。
寒い季節になると、つい恋しくなるカレー。ラーメンと並んで「日本の国民食」と言われることもあるほど、老若男女に愛されるカレー。そこで、この『豆と野菜のカレー』の開発に携わる商品開発本部の今村さんに、カゴメがつくるプラントベースカレーについて、根ほり葉ほりお話を伺いました。
なぜ、“野菜のカゴメ”がプラントベースフードを?その理由はとてもシンプルなものでした。
プラントベースフードとは、肉や魚介類、牛乳や卵などの動物性原料を使用せず、野菜や豆類をはじめとする植物性原料だけでつくる食品のこと。プラントベースフードの世界的なムーブメントには、健康志向の高まりや環境問題への配慮、食の多様性など、さまざまな社会的な背景がありますが、なぜいま“野菜のカゴメ”がプラントベースの領域にチャレンジするのか?まずその理由について、聞いてみました。
「プラントベースと言えば、何か特別なもののように感じられるかもしれませんが、私たちカゴメにとっては決して特別なものではありません。
“プラント”の意味は“植物”。私たちが扱う野菜も豆も果物も、すべて植物です。トマトジュースをはじめ、カゴメは長きに亘りこれらの原料を使って、飲料や食品の開発に取り組んできました。プラントベースフードも、あくまでも“野菜の延長線上”にある食品と考えています」。
“野菜をおいしく、楽しく”カゴメ。プラントベースも野菜でおいしく。
たしかに!野菜も豆も果物も“プラント(=植物)”ですね。では、『豆と野菜のカレー』の開発担当者として、今村さんが最もこだわったポイントは何でしょう?
「とにかくまず“おいしさ”、味へのこだわりです。既に日本でも様々なプラントベースの食品が販売されていますが、味についてはまだまだ伸び代があると感じています。
これは私の個人的な感想ですが、具材にもスープにも獣肉系の食材を使えないことから、“味が薄い、コクが足りない”といった“もの足りなさ”を感じられるものが多いと思います。
“野菜をおいしく、楽しく”。野菜を知り尽くしたカゴメだからこそできること。それは何より、野菜についての知見を注ぎ込んで、プラントベースの食品を、もっとおいしくしていきたいということでした。何よりカレーはワクワクする食べもの。カレーをおいしくできれば、もはや言うことはありません」。
こだわりのポイント第一、『野菜だし』で“うま味の底上げ”。
プラントベースをもっとおいしく!カレーの味の課題解決のための具体策について聞いてみました。
「料理の味を深めたり、コクを出すためによく使われるのが、西洋だし『ブイヨン』です。しかしブイヨンは、肉を使って煮込むので、プラントベースの食品には使えません。そこでブイヨンの代わりに使ったのが『野菜だし』です。
ご存知の通りカゴメには、健康直送便でも販売されている『こだわりの野菜だし』という商品があります。この野菜だしは、ご家庭用に使いやすく粉末化したものですが、たまねぎ、にんじん、セロリ、ブリッコリー、トマト、マッシュルーム、6種類の野菜を煮込んで奥深い味わいに仕上げています。
しかしカゴメでは、ご家庭用の『こだわりの野菜だし』発売に先駆けて、実は2019年からホテルやレストランからのご要望にお応えした、業務用の野菜だしも販売しています。ですので野菜だしに関しては、料理のプロにも使われる、深い知見を蓄えているのです。
そこでまず、カレー自体の味わいを深めるために、独自の野菜だしで“うま味の底上げ”から着手しました」。
こだわりのポイント第二、『トマト』で“うま味のさらなる底上げ”。
今村さん、“うまみの底上げ”についてさらに続けます。
「“うま味の底上げ”をさらに徹底するために、『トマト』のピューレーにもこだわりました。料理好きの方ならよくご存知かと思いますが、カレーの隠し味として、トマトソースやペースト、或いはピューレー、さらに手軽にトマトジュースを使われることも珍しくはありません。
そこで“うま味のさらなる底上げ”のためにトマトペーストを使用。その使用量にも細心の注意をはらいました。使いすぎるとすべて『トマトカレー』になってしまいますから。
現在カゴメ健康直送便で販売しているのは、『大豆ミートのキーマカレー』『3種豆のベジタブルカレー』、そして『大豆ミートのほうれん草カレー』の3種類。それぞれの味の特性を充分引き出すべく、トマトペーストの使用量も丁寧に加減しました」。
こだわりのポイント第三、『オニオンソテー』で“スパイスとのバランス”。
「味へのこだわりのポイントはたくさんあるんですが…」と言いつつ、こだわりポイントTOP3ともいうべき最後のポイントとして今村さんが挙げたのは、『オニオンソテー』でした。
「先ほども話しましたが、カレーの味の決め手は何といってもスパイスです。もちろんスパイスの選定にも充分こだわりましたが、プラントベースのカレーとして、それと同じくらい深くこだわって設計したのが、『たまねぎソテー』なんです。
たまねぎは炒めると飴色になって、独特の甘みと深みが出てきます。たまねぎソテーの香味は、辛いスパイスとの味のバランスを決めるために、とても重要な役割を果たしてくれるのです。
しかも、たまねぎを炒めた油まで、カレー全体の味をまとめる名脇役としてはたらいてくれるのです」。
つまるところ、野菜の味にこだわり抜いてカゴメがつくった『野菜カレー』なんです。
最後に一言、今村さん…。
「“プラントベース”というと、まだちょっと身構えてしまうという人もいらっしゃるかもしれませんが、カゴメのプラントベースカレーは、つまるところ『野菜カレー』なんです。
私たち“野菜のカゴメ”がプラントベースのカレーを、野菜の味にこだわり抜いて、どこまで美味しくできるか…それが開発の大きなテーマでした。
もちろんプラントベースなので、[植物性たんぱく質]や[野菜量]へのこだわりもあり、ヘルシーなカレーではありますが、味づくりに携わった私としては、カレー好きのすべてのお客様に、ごく一般的、日常的な『野菜カレー』として、お気軽にお試しいただければ、これに勝る喜びはありません。ぜひとも一度、ご賞味ください。