野菜を楽しむ、季節を味わう
たくさんの想いが詰まった商品をこれからもつくります。
カゴメの通信販売『カゴメ健康直送便』の人気ランキングで上位に入っているのが「野菜と豆の具だくさんポタージュ」です。カゴメが厳選した野菜や豆をふんだんに使用し、お腹も心も大満足の食べごたえが人気です。「温かいものを食べたい」「あと一品、野菜の料理を増やしたい」というお客さまの声に支えられ、定番の4品に加え四季折々の国産野菜を楽しめる「国産野菜を味わうポタージュ」もラインナップ。時代やお客さまのご要望に合わせた商品をお届けしています。
今回はポタージュシリーズの企画・開発に携わっている内野に商品のこだわりや味づくりのポイント、今後の展望などをインタビュー。 「現場のみんなの奮闘ぶりを見ると泣けてくる…」と語る内野が大事にしているこだわり、製造工程で感じた感謝の想いを聞きました。
食べごたえ、選ぶ楽しみ。野菜に向き合ってきた会社だからこそできること
開発のきっかけとなったのは「冷やして飲むことが多い野菜ジュース、冬場はちょっと飲みづらい…」というお客さまの声でした。野菜飲料をながくお届けしてきたカゴメが食品の分野でできることはなんだろう、気温の低い時期に温めて野菜を楽しんでもらうにはどうすればいいのかと考えて開発をスタートしました。
2011年頃に最初に誕生したのは具のないタイプの北海道野菜を味わうというコンセプトの商品でした。その後、「もっと野菜を食べられるスープが飲んでみたい」という声もいただき具入りタイプの開発に着手しました。
具材の入ったスープといえば一般的には汁気の多いスープベースのものが多いのですが、カゴメ健康直送便の商品はとろっとしたポタージュのベースに具が入っているというものです。このとろみ加減や舌ざわり、具材のごろごろした感じが食べやすさと満足感につながっていると思います。
商品の設計は1食あたりの塩分1g以下、カロリー100kcal以下にしています。健康をうたい文句にしているカゴメ健康直送便ですし、お客さまの期待値も高いのでしっかりと意識して開発にのぞんでいます。
とはいえ、“健康”を追求するがあまりおいしさをないがしろにしてしまっては本末転倒です。ポタージュシリーズは塩分を最小限に抑えることで野菜本来のおいしさが楽しめる味つけにしています。
また、見た目や味のバリエーションの豊富さも野菜を楽しんでいただくカギになると考えています。通信販売であれば、お客様へ定期的にお届けすることで季節と一緒に旬の野菜を楽しんでいただけますし、アソートセットとしていろいろな種類を詰め合わせることもできます。
こうした料理としての食べごたえと選ぶ楽しさを提供できるのはカゴメ健康直送便だからこそと感じています。
ラインナップのこだわり
「国産野菜を味わうポタージュ」シリーズは発売10年目の節目の年に大幅なリニューアルを実施するとともに、ポタージュファンの皆さまの声にお応えし優先的に確保し早めにお届けする「ポタージュの会」を発足させました。
商品の基本である“自然の恵みのおいしさを活かす”ことに加え、季節の味わいを存分に楽しんでいただける。アソートだから包装を開けたときから楽しさを感じていただける。そんな商品を目指しました。
定期的に行っているお客さまアンケートやコールセンターに寄せられる声にできる限りお応えしたい、ご評価いただいている“季節を楽しむ”という点をもっと突き詰めてみようと原料選びからこだわり、スーパーなどではあまり見かけない珍しい野菜を使ったり、取り合わせの妙で深い味わいを引き出したりとさまざまな工夫で他では真似のできない味わいを追求しています。
季節によって求められる味や召し上がっていただく環境も変わりますし、その時々の食卓にふさわしいおいしさがあると思います。寒い時期には濃厚で深みのある味わいが、気温が高い時期には冷製ポタージュのひんやりした口あたりが楽しいですものね。
通年販売の「野菜と豆の具だくさんポタージュ」も季節限定の「国産野菜を味わうポタージュ」もギフトとしてのご利用も多くなっています。お客さまから「食が細くなってきたけれど、これなら食べられると喜ばれた」「料理をするのが大変な時でも、簡単でありがたいといわれた」など贈り先からの声を寄せていただくこともあります。
カゴメ健康直送便でスープを贈るということは相手を気づかう温かい気持ちも一緒に贈っているのだと気づかされることも多々あり、これからもその気持ちを具現化する商品をつくり続けていきたいと思っています。
カゴメならではの総合力を活かした味づくり
野菜をベースにしてバリエーションを広げることができるのはカゴメの総合力があってこそといえます。原料には国産野菜も含まれているので調達にはいろいろと大変なことも多いのですが 、契約栽培や長年の取り組みで培った信頼関係で安定的に確保できているのはありがたいことだと思います。豆にしても複数の種類を入れられるのはカゴメのネットワークの賜物です。
自家工場でピューレにしているトマトをはじめ、個性の異なるさまざまな素材を組み合わせてお客さまに受け入れられる味がつくれるのも、創業以来培ってきた原料加工のノウハウによるものです。
“野菜からつくった野菜のポタージュ”なので、だしにもこだわります。使用しているのは玉ねぎ、にんじん、セロリの旨みをじっくりと引き出した「野菜だし」。おだやかでやさしい味わいが素材の風味を引き立ててくれます。
何度も試作しコーポレートシェフのアドバイスももらって、試行錯誤を繰り返して完成したのがポタージュシリーズです。召し上がればきっと「あっ、今この野菜を食べている」と実感していただけると思います。
手の込んだ作り方を実現できているのは製造ラインの努力のおかげ
レストランなどでいただくようなじっくり煮込んだようなおいしさを実現できているのは手間ひまかけた製法によるところも大きく、玉ねぎは生からしっかりとていねいに炒めることで味のベースをつくっていたり、緑色や白い野菜を使った商品では素材の色そのものを活かすために配合を工夫しています。
また、具材のばらつきがないように下ごしらえや充てんなどを手作業で行うことも多くなっています。
カゴメの商品の中でもポタージュシリーズは群を抜いて手の込んだつくり方になっており、工場に出向いてラインの仲間が奮闘してくれている姿を見るとありがとうという気持ちがわき上がってきます。
原料を栽培してくださる農家さん、手間ひま惜しまず加工してくれる工場のスタッフ、お客さまの元へ届ける配送担当者、それぞれの「野菜を楽しんでもらいたい」という想いがつながってポタージュシリーズをお届けできていると感じています。
今の商品が永遠ではないと思いますし、「もっと野菜の量を増やしてほしい」といった声もあります。ただやみくもに増やすのではなく、これからもおいしさと健康のバランスを考えながら「野菜を味わう」商品をつくっていきたいと考えています。
■プロフィール
・内野 奈津子(うちの なつこ)
カゴメ株式会社 商品開発本部 飲料・食品開発部 食品開発グループ 担当課長