こだわり抜いたおいしさと製法にさらに磨きをかけて。より受け入れられる商品を追求していく、それが私の目標です。
カゴメの通信販売『カゴメ健康直送便』の商品のなかでも幅広いご支持をいただいているのが「つぶより野菜」です。カゴメが厳選した“つぶより”の素材を使用し、自然の恵みのおいしさを引き出す独自の製法でつくりあげた野菜ジュースです。2014年6月の発売から10年以上、使用する野菜の種類や味づくりのポイントは大きく変更していませんが、時代やお客さまのご要望に合わせ細かなリニューアルをしています。
今回は飲料開発に関する部署で「つぶより野菜」の品質設計・リニューアルに携わっている浦(うら)に先輩たちが築き上げてきた商品の魅力や今後の展望などを聞きました。
「実は入社当初は野菜が苦手だった…」という若手社員が主力商品を担当するにあたって、意識し守り続けてきたこととはなんなのでしょうか。
先輩たちが築き上げた財産を引き継ぎ、より受け入れてもらえる商品に
所属している部署では主に野菜飲料の開発をしています。新商品の開発はもちろんですが、すでに販売している商品でも時代に合ったおいしさを追求していくことを常に考え検討しています。
「つぶより野菜」はコンセプトもしっかりしていますし、なにより多くの方にご支持いただいている商品です。
先輩たちからも開発当時の想いや苦労などを繰り返し聞いていますので自分が担当だからといってガラッと変えていくというようなことはありませんが、企画担当からリニューアルの相談があった際には先輩たちが築き上げてきた財産である原料や製法の強みをさらに活かすことができるか、今のお客さまに受け入れられる時代にあったおいしさとは何かをいつも念頭において試作をしています。
それぞれの個性を活かす製法とバランスを追求
入社して8年になりますが飲料開発グループに異動してからは野菜飲料の開発ひと筋です。実は入社当初野菜があまり得意ではなくてどうしようかと思ったこともありました。でも仕事ですから好き嫌いはいっていられません。まず野菜を知るところから始めました。
「つぶより野菜」にはプチヴェールなどあまりスーパーなどでは売られていない野菜や、レタスも高原レタスを使うなどこだわりのある原料がたくさんあります。それらの特徴をしっかり理解して個性を引き出すようにしています。
それでも農作物ですので収穫した年によって糖度など微妙な違いもでてきます。そこを考慮しながら配合のバランスを整えたり、工場にて搾り方の強度などを微調整したりしています。
「同じ種類の野菜を使っているんだから、同じものができて当たり前」と思われるかもしれませんが、野菜の糖度や味わいは産地や収穫時期でも微妙に異なります。
甘みと酸味のバランス、専門的には糖酸比といいますがその微妙なバランスはにんじんの甘みだけ、トマトの酸味だけを調整しても完成するものではありません。数値ではかることもできなくはないのですが最終的には実際に飲んで確認することが一番大事なので、0.何%の微妙な違いをつけたものを何タイプもつくって試飲しています。
カゴメ健康直送便の食品は原料や製法に特別のこだわりをもってつくられています。そのおいしさを維持していくこと、より磨きをかけることは並大抵のことではなく日々の努力が重要になってきます。
味の種類や強弱などを確認する「官能テスト」というものがありますが、テストを受ける際は万全のコンディションでのぞめるように前日から心身を整えています。前日は辛いものや香りの強いものを食べないという人もスタッフの中にはいるんですよ。
そこまでしないまでも、繊細な味の違いを利き分けられるように日頃からいろいろな食べ物・飲み物にたくさん触れてその味を覚えておくなど、お客さまを裏切らない味づくりのために表には出ない事ですが一人ひとりが努力を続けています。
忘れられないお客さまからの声
50代男性のお客さまから「一生忘れないくらい感動した」という声をいただいたことがあります。お客さまにずっと覚えていただける商品を開発することは開発者冥利に尽きます。
いい意見もそうでない意見もたくさんいただくのですが商品に活かせることは可能な限り取りこんでいけるようにしています。
はじめは野菜が苦手でしたが今では「野菜ってこんなにおいしいんだ」といっていただけることが励みになっていますし、これからも野菜と向き合って皆さまに喜ばれる商品をつくり続けていきたいと思っています。
野菜のおいしさを実感していただけるよう、進化は止めない!
「つぶより野菜」の魅力はコク・甘み・食感、そして香りです。
お客さまの声を聞きながら時代にあったものに変えていくことは私たちの使命だと思っていますが子ども向けに甘みを強くしたり、つぶ感をおさえたりしては先輩たちがつくり上げてきたおいしさとは別のものになってしまい、それはちょっと違うのではないかと思っています。
カゴメが扱っている原料野菜は国産・海外産含め多岐に渡りますが、厳格な原料基準がありそれをクリアしたものだけが商品となって皆さまの元へ届けられます。
とりわけカゴメ健康直送便の商品は原料や製法にたくさんのこだわりをもっています。カゴメが培ってきたネットワークやノウハウが結集しており「つぶより野菜」はその代表格だと思っています。
こだわり抜いたおいしさと製法に磨きをかけてさらにおいしく、皆さんに受け入れられる商品を追求していく。これが今の目標でひとことでいうなら「進化は止めない!」ということでしょうか。
ふだん市販の野菜ジュースを飲んでいる人にこそ「つぶより野菜」をぜひ体験していただきたいです。市販の商品では実現するのが難しいこだわりがたくさん詰まっているので、試していただければ新しい発見があると思います。決して後悔はさせませんよ。
■プロフィール
・浦 良典(うら りょうすけ)
カゴメ株式会社 商品開発本部 飲料・食品開発部 飲料開発1グループ