【カゴメ・nishikawa対談】「食と睡眠」と向き合うことから始まる健康への第一歩
2025.08.13
日本で最も古くからトマトを扱ってきた野菜加工食品メーカー・カゴメと、450年以上の歴史を持つ寝具メーカー・nishikawa。
今回は、異なる領域で皆さまの「健康」をサポートしてきた2社による、食と睡眠をテーマとした対談を前編・後編に分けてお届けします。
カゴメ株式会社「野菜と生活 管理栄養士ラボ®」の菊川と、西川株式会社 日本睡眠科学研究所の研究員である安藤さんに、専門家ならではの視点で、健康的な暮らしのヒントを語っていただきます。
前編では、カゴメ「野菜と生活 管理栄養士ラボ®」の菊川が、現代の食にまつわる課題について語りました。
後編である今回は、西川株式会社 日本睡眠科学研究所の安藤さんに、現在の睡眠にまつわる課題を伺います。
【プロフィール】
カゴメ株式会社 健康直送便商品企画担当
「野菜と生活 管理栄養士ラボ®」
菊川
「野菜と生活 管理栄養士ラボ®」所属。カゴメが運営する研究所が導き出したエビデンスと国家資格である管理栄養士の専門的な知識をもとに、食、特に野菜に関する知識をわかりやすく伝える活動を行う。
西川株式会社 日本睡眠科学研究所
安藤さん
「日本睡眠科学研究所」所属。大学・企業と協力しながら、睡眠が生体に及ぼす影響についての研究や、より良い睡眠を提供できる寝装・寝具の開発を行っている。主に「眠りと健康・美容(アンチエイジング)の関係」について担当。
夜更かしの楽しさと朝寝坊の気持ち良さの大きな代償とは
—— 睡眠の研究者である安藤さん。日本に暮らす現代人の睡眠にまつわる課題とは?
nishikawa安藤さん:私が所属する「日本睡眠科学研究所」では、毎年約1万人の方を対象とした睡眠調査の結果を『睡眠白書』としてまとめています。
直近の2024年の調査では、調査対象の約半数、つまりは5,000人近い方に不眠症の可能性があることがわかりました。
この結果をさらにひも解くと、不眠の傾向は20代から40代の“働き盛り”と呼ばれる世代に顕著です。
この方たちは平日と休日の睡眠時間の差が激しく、恐らくは慢性的な睡眠不足。
休日の睡眠不足を補おうと休日に長く眠り、それでも寝不足が改善できない“睡眠負債”の状態に陥っている可能性があります。
カゴメ菊川:私もまさに20代から40代に当てはまる世代ですが、平日と休日に睡眠時間の差があるばかりか、平日の就寝時間もバラバラで…。
「早く寝なきゃ」とは思っていても、ついつい夜更かしをしてしまって。
nishikawa安藤さん:わかります。特に翌日がお休みの日は、ついつい夜更かしや朝寝坊をしたくなりますよね。
でも、平日と休日の睡眠時間の差が大きいと体内時計にずれが生じ、海外に行ってもいないのに時差ボケのような状態になることがあるんです。
カゴメ菊川:日曜の朝寝坊は、まさに悩みの種だったんです。
夜更かしは楽しいし、朝寝坊は気持ち良い。でも、朝寝坊をしたせいなのか、夜になってもなかなか眠くならず、結果的に月曜の朝から疲れてしまっていて。
nishikawa安藤さん:そのような方はとても多いですね。休日に体内時計がずれてしまうと、月曜の朝に時計を戻さないといけなくなり、より辛く感じてしまうと思います。
さらに、実は、人間は寝だめができないと言われています。
多少なら過去の睡眠不足を後から補うことはできても、休日に何時間も寝たからといって、翌日や翌々日の睡眠時間を短くすることはできず、どうしても眠たくなってしまいます。
ワークパフォーマンスを上げるためにも、睡眠時間を安定させることをおすすめします。
入眠の瞬間も眠りの浅深も、デバイスひとつで可視化
—— 眠い目をこすりながら、仕事や学校に向かう人が多くいる。そうした睡眠不足という課題解決のため、nishikawaではどのような取り組みをされているのでしょうか?
nishikawa安藤さん:睡眠にまつわる課題を解決するには、まずはご自身の睡眠を可視化いただくことが大切です。
そのための取り組みのひとつが、nishikawaが開発した「goomo」という睡眠計測のためのスマートフォンアプリです。
引用:nishikawaの睡眠アプリ goomo|西川株式会社
nishikawa安藤さん:「goomo」は体にデバイスを装着する必要がなく、スマートフォンをまくら元に置くだけで使えます。
眠りの状態を可視化して、睡眠時間・入眠潜時・中途覚醒回数・睡眠効率の4項目から100点満点で睡眠のスコアを算出。
音声記録の機能も搭載しているので、ご自身では認識していない、いびきや寝言、寝室環境の騒音もチェックできるんです。
カゴメ菊川:睡眠のスコアまで算出してくれるんですね!
実は数年前、寝ているあいだの音声を記録できるアプリは試したことがあるんです。
でも、結局は「へぇー、こんな寝言を言っていたんだ!」とおもしろがるだけで終わってしまい、自分の睡眠改善にはまったく生かすことができなくて。
nishikawa安藤さん:就寝中の音声記録アプリ、流行りましたよね。
そこで三日坊主になってしまった方にご紹介したいのが、睡眠の可視化と同時に、睡眠の状態に合わせたアドバイスも表示される機能です。
カゴメ菊川:私が音声記録アプリを続けられなかったのは「ちょっと寝言が多いかも。もしかすると眠りが浅いのかな?」と不安に感じても、そこから改善のための方法にたどり着けなかったから。
それが自分の睡眠が可視化されると同時にアドバイスもいただけるなら、すぐに実行に移せますね!
nishikawa安藤さん:睡眠を可視化する以上、アドバイスを添える。これは私たちとしてもこだわったところなんです…!
さらに詳細な睡眠解析をしたい方には、「goomo」と連動してご自身の自律神経の状態まで可視化できるマットレスもご用意しているんですよ。
カゴメ菊川:睡眠は行為そのものが無意識ですよね。ベッドに入るところまでは意識があっても、自分がいつ眠りに就いたのかはわかりません。
そのタイミングはもちろん、自律神経の状態まで把握できるなんて。
nishikawa安藤さん:「何時に寝よう」と決めることはできても、実際の入眠は生理現象。自分ではなかなかコントロールできません。無意識の行動だからこその難しさですよね。
ただ、ひとつの目安として、ベッドに入った途端に眠りに落ちてしまうような状態は、あまり健康的とは言えません。
カゴメ菊川:ベッドに入った瞬間に寝落ちするって、むしろ寝入りがスムーズなのかと思っていました!
nishikawa安藤さん:ちょっと意外ですよね(笑)。でも、床に入ってから5分も経たずに寝落ちしてしまう場合は、睡眠不足の可能性が濃厚です。
睡眠が足りていないから眠く、まるで気絶するように寝落ちしてしまいます。
もしくは、食後の急激な眠気に襲われて寝落ちしてしまう場合には、食後に血糖値が乱高下する血糖値スパイクの状態も疑われるため、極端な寝落ちは体の不調を示すシグナルでもあるんです。
自分にとってベストな睡眠時間を知る方法
—— 不調のシグナルを見逃さないためにも、日ごろから自身の睡眠を可視化する。ほかにも睡眠の質を高めるポイントとは?
nishikawa安藤さん:睡眠の改善ポイントはさまざまありますが、そのひとつとして、寝具の見直しをおすすめします。現在ご使用されている寝具が合っていない場合、それをご自身にフィットした寝具に変えると、体の状態がガラッと変わることがあるんです。
私たちの研究でも、睡眠時間は変えることなく、寝具のみを変えた方を対象に行った調査の結果、あらゆる好転が見て取れました。
機能性の高い寝具を使うことで睡眠の質が上がり、体の組織づくりに欠かせない成長ホルモンや免疫力を高めるメラトニンの分泌量が増えることがわかっています。
反対にストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌量が低下。さらには酸化ストレスや糖化ストレスが低減するほか、腸内環境も整うことが明らかになっています。
とはいえ、睡眠時間もとても重要です。どんなに寝具が良くても、やはり、その人に合った適切な睡眠時間を確保することが欠かせません。
カゴメ菊川:そう、まさにそこが気になっていたんです。私にとっての適切な睡眠時間とは、いったい何時間なのだろう、と。
nishikawa安藤さん:一般的には7〜8時間程度が推奨されますが、実は適切な睡眠時間は人それぞれ。個人差が大きいんです。
なので、ご自身にとっての適切な睡眠時間を知りたい方は、長期のお休みの間に4日間ほど、誰にも邪魔されずに好きなだけ眠れる時間を確保してください。
最初の1日目は、10時間くらいは眠れてしまうと思います。
でも、人は必要以上には眠れません。この“好きなだけ寝る”を続けていくと、徐々に初日の長時間睡眠が落ち着き始め、4日目ごろの睡眠時間がその人にとってのベスト。
ちょっと時間が必要ではありますが、検査などを受けなくても、自分で知ることができるんです。
人は不摂生に慣れてしまう。まずは自分の「生活」を知ることが健康への第一歩
—— 自分の眠りを知ることから始まる睡眠改善。健康への第一歩ですね。
nishikawa安藤さん:そうですね。睡眠欲も食欲も、どちらも生きるために不可欠な生理現象なので、無意識のうちに影響されていることもあります。
例えば、寝不足になると必要以上に食欲が湧いてしまうことがあります。
寝不足になると空腹ホルモンと呼ばれるグレリンと満腹ホルモンと呼ばれるレプチンのバランスが乱れてしまい、本当は満腹のはずなのに「もっと食べたい!」という気持ちが刺激されてしまうんです。
食べすぎは健康的にも良くありませんが、人間は寝不足にもすぐに慣れてしまいます。
6時間睡眠を14日間続けた人と丸2日間の徹夜をした人では、実は発揮できるパフォーマンスは一緒という調査報告があるんです。
丸2日間の徹夜では自分が疲れていることを認識できても、慢性的な睡眠不足による疲労は認識できず、知らぬうちにパフォーマンスが低下しているんです。
カゴメ菊川:その慣れは食事も同様です。
個人差があることは大前提として、適切な時間に食事をとったり、適切な時間に寝起きをしたりすれば、本来は起床時間にお腹が空いているのが健全な状態です。
しかし、朝の忙しさに負けて朝食をとらない生活があたりまえになってしまうと、お腹が空いていることにも気づけなくなってしまいます。
結果、「朝食をとらないのは体質だから」と思い込んでしまう人が少なくありません。
睡眠の見直しによって目覚めから活発に動ければ、朝から気持ち良く朝食をとれるかもしれませんよね。
朝からしっかりエネルギーを補給すれば、日中のパフォーマンスがさらに向上するのではないでしょうか。
nishikawa安藤さん:「これは自分の体質だから」という生活習慣への思い込みは、睡眠に関しても“あるある”です(笑)。
もちろん睡眠にも個人差があり、年齢によっても必要な睡眠時間が変化します。けれど、無理をした結果の短時間睡眠に慣れてしまっては、いつか不調を来しかねません。
そうならないためにも、やはり、ご自身の状態を知ることが健康への大きな一歩になるはずです。
健康的な毎日を送るためには、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動のどれもが重要であり、不可欠です。どれかひとつに目を向けるのではなく、無理のない範囲で少しずつバランス良く改善しましょう。
まずは、ご自身の生活を見直し、気づきを得るところから始めてみてはいかがでしょうか?
【期間限定】nishikawaとカゴメのコラボレーションイベント開催!
眠りの質と野菜摂取量をチェックして、“自分の状態を知る”体験をしませんか?
日本橋西川の店舗では、お客様にぴったり合うまくらの高さの可視化が可能な専用の測定器を常設しています。
今回、期間限定で野菜摂取量を推定できる「ベジチェック®」を体験いただける機会をご用意しました。
この機会に自分に合う寝具と野菜摂取量の両方をチェックして、ご自身の状態をより深く知ってみませんか?
アンケートにお答えいただいた方には特典もご用意していますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
場所:日本橋西川本店、広尾店
日時:2025年8月18日(月)~31日(日)