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過疎化が進む瀬戸の小島で柑橘一筋57年。
尾道市瀬戸田町 向井元秀さん

2025.07.09

広島県尾道市瀬戸田町。向井さんの農園は穏やかな瀬戸内に浮かぶ小さな島、生口島(いくちじま)にあります。この地で1982年から40年以上に亘って柑橘の栽培を行い、自ら開発した大変希少なオリジナル不知火(しらぬい)『瀬戸田潮風しらぬい』を栽培しています。

幼い頃からとにかく研究好きで、樹医の資格を取得し、1968年から2006年までの38年間は、果樹農家でありながら〈JA広島果実連〉で技術指導員としても務めました。今でいう二刀流です。

80歳を目前にした今、向井さんはこう言います。「瀬戸田もかつては柑橘の名産地として活気があった。でも今は過疎化が進み、農家の数も生産量も減少の一途。私の知識と知恵が少しでも役立つなら、誰にでも惜しむことなく柑橘の栽培法を伝授していきたい」。

穏やかな陽光が注ぐ生口島。 過疎化が進み農家の数も減少の一途だが、
今も町の至る所に柑橘の樹が見られる。

瀬戸内と言えばレモン。「でもレモンだけじゃない」!自らオリジナル柑橘の開発へ。

“柑橘博士”とでも呼ぶべき風情の向井さん。しかしその目はいつもキラキラと少年のように輝き、好奇心に満ち溢れています。

これまでの人生で学んだことは「自然が先生」ということ。今なお毎日のように畑に立ち続け、「自然と向き合い、自然の声を聞き、自然に学ぶことが何よりも大切」と言います。

「果物を作るにはまず樹のことを知ることだと思い、樹医の資格を取りました。『瀬戸田潮風しらぬい』の開発も、まずは果実の前にその母体ともなる樹の研究から始めました」。

向井さんが開発した『瀬戸田潮風しらぬい』。
不知火とは「清見オレンジ」と「ぽんかん」を掛け合わせて生まれた品種。
糖度が高く果汁もたっぷり、手で剥きやすいことも人気の秘密。
全国的に知られる熊本県の『デコポン』も不知火の一種。

徹底的な樹の研究から、シークワーサーを台木に。「強い樹が美味しい果実を育む」。

不知火を栽培する場合、カラタチの木を台木にして、その上に不知火を接ぎ木するのが一般的。しかし向井さんの『瀬戸田潮風しらぬい』は、何と沖縄県の名産シークワーサーを台木にしているのだとか。

「果実を美味しく育てるには、何よりもまず樹が強くて丈夫なことが肝心。そこで試行錯誤の末、柑橘類の中でも樹勢が強いとされるシークワーサーを台木にしてみたのです。するとその木はすくすくと元気に育ち、『瀬戸田潮風しらぬい』が誕生したのです」。

向井さんの畑には、既に樹齢30年を越える樹が今もたくさん実をつけています。「樹齢を重ねて、果実の美味しさは今がピーク!」と嬉しそうに向井さんは語ります。

「樹が強く丈夫であってこそ、果実は美味しく育つ」。
樹医の資格をもつ向井さんならではの発想と信念で誕生した『瀬戸田潮風しらぬい』。

向井さんならではの手間を惜しまない
栽培へのこだわり“百枚一果”。

向井さんに『瀬戸田潮風しらぬい』の栽培法について聞いてみました。その中でも印象的だったのが“百枚一果”という言葉。

「不知火のような糖度の高い品種は、一本の樹に果実を多く着け過ぎると果実がすべて養分を吸い取ってしまい、徐々に樹が弱っていくことがあります。だから私は“百枚一果”を徹底しています。手間はかかりますが、樹も果実も共に健康的に育てるための私の鉄則なんです」。

“百枚一果”とは、文字通り葉っぱ100枚に対して、果実1個の割合で実を成らせるということ。そのために果実の生育状況を常に観察しつつ、果実を摘んでいく“摘果(てっか)”を繰り返し、樹に成る果実の割合を一定に保つことが大切なのだとか。

「健康な樹に健康な果実が育つ」。向井さんの言葉を聞いていると‘健全な肉体に健全な精神が宿る’人間も果実も同じように感じられます。

「果実はたくさん獲れれば良いというわけではない」。
“百枚一果”の割合で、果実の“量”より“質”にこだわる向井さん。
地上近くに多くの実が成る向井さんの『瀬戸田潮風しらぬい』。太陽の光をいっぱい浴びるように、樹の上部には果実を成さないで、果実は下の方に。
上部で葉にたっぷり光合成をさせて、その養分を下の果実に回すのが理想的な樹の形だという。

向井さんのもう一つの強いこだわり、
自然のままに“樹上完熟”。

柑橘栽培の達人のもう一つの強いこだわり、それが樹の上でギリギリまで完熟させて味をのせる“樹上完熟(じゅじょうかんじゅく)”という栽培法。

「実は不知火という品種は寒さに弱く、毎年霜が降りる前に収穫しなければなりません。しかし収穫のタイミングが早過ぎると、果実に充分甘味がのらない」。

リスクを避け、早めに収穫して倉庫で“追熟”させて甘味をのせる農家さんが多い中、向井さんは敢えて“樹上完熟”にこだわります。

「柑橘もできる限り自然に近い状態で味わいを深めたい。だから私は樹の上で果実を完熟させる“樹上完熟”にこだわり続けています。果実は自然の恵み、だから何よりも自然のままの味わいを大切にしたい。私にとって、果実は“天然スイーツ”なんです。だから私は、敢えて霜が降りる直前の時期を見計らって収穫しています」。

穏やかな印象が強い瀬戸内地方だが、生口島の冬は海風が吹いて寒い。
大敵は霜。寒さに弱い不知火の収穫は、初霜のタイミングを見極めることが何よりも大切。
栽培開始以来、欠かさずつけている日誌。自然と向き合うために「天候」や 「降雨量」、「初霜の降りた日」からモズの啼き声を聞いた日まで記録。
モズの初啼きから概ね75日経つと初霜が降りるのだという。
樹の上でしっかり完熟させた後に収穫される『瀬戸田潮風しらぬい』。
“樹上完熟”にこだわるが故に、かつては樹全体にシートをかけて2月に収穫したことも。近年は温暖化により、完熟時期が早まり年内に収穫するという。
『瀬戸田潮風しらぬい』は玉の大きさにもこだわる。瀬戸田町の柑橘の品質向上のために、1989年に向井さんが考案した柑橘のサイズを図る〈摘果サイザー〉。“樹上完熟”まで、日々の育成具合も細やかにチェック。

最後の仕上げにもうひと手間、
『瀬戸田潮風しらぬい』は“貯蔵”して出荷。

“樹上完熟”した『瀬戸田潮風しらぬい』の味をさらに深めるために、収穫後さらに追熟させます。しかし向井さんの追熟はひと味違います。

「追熟は“保管”ではなく“貯蔵”」と語る向井さん。自慢の貯蔵庫は土壁と土間でできていて、まるで古いワイン蔵を彷彿とさせる空間。そこで出荷のときを待つ向井さんの柑橘は、熟成によって味わいを深めるワインのよう。

「収穫後の柑橘をここで静かに眠らせる。果物は生き物、収穫後も呼吸する。昔ながらの土壁や土間が残るこの蔵は、果物がゆっくり呼吸できる寝心地の良い空間なんです」。

『瀬戸田潮風しらぬい』のための貯蔵庫。土壁と土間と木、人工物は裸電球一つだけ。
果実にとって快適な、まさに自然空間。
「自然が先生」。どこまでも自然を大切にする向井さん流の柑橘栽培は、こうして出荷直前まで続く。“寝る子は育つ”は柑橘も同じ?

プチプチと弾ける食感。
さのうひと粒ひと粒まで元気です。

向井さんが手間ひまかけて育て上げた『瀬戸田潮風しらぬい』。最後にその味わいの特長について聞いてみました。

「強い樹が美味しい果実を実らせる。そしてその強い樹の上で、果実をギリギリまで完熟させる。だからさのう(「さのう」とは柑橘の一つ一つの袋の中にある細く長い袋のこと)のひと粒ひと粒まで元気でハリがあって、口に入れるとプチプチと弾けるような食感とともに、みずみずしい柑橘の爽やかな美味しさが溢れ出します」。

収穫したての『瀬戸田潮風しらぬい』。
さのうのひと粒ひと粒にハリがあってプチプチと弾けるような元気さを感じさせる。

「瀬戸田町の賑わいを柑橘で取り戻したい」。
80歳を迎える向井さんに温かいエールを!

ネーブルやはっさく、レモンをはじめとする柑橘栽培の名産地として、かつては日本一の出荷量を誇っていたという瀬戸田町。もう一度かつての賑わいを取り戻したいと、80歳になっても今なお畑に立ち続ける向井さん。何よりも『瀬戸田潮風しらぬい』を召し上がっていただいたお客さまからの声援が励みになると言います。

向井さんの決めぜりふ、「私の育てた『瀬戸田潮風しらぬい』には“ビタミン愛”が詰まっています」。

この先もけんちょくと共に、日本の農業を守り続ける農家の皆さんに温かいご声援とご支援を!よろしくお願いいたします。

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    国内屈指の柑橘類の名産地、広島県尾道市瀬戸田町。
    穏やかな瀬戸内海に浮かぶ生口島(いくちじま)だけで栽培されている大変希少な『瀬戸田潮風しらぬい』。

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