
やる気に溢れた若者が集まり支え合いながら、トマトをはじめコシヒカリやユリの球根などの栽培を行っています。
容赦なく照りつける陽射しの下、黙々とトマト畑の世話をする17歳の青年がいました。彼は、カゴメと契約でトマト栽培を行うグリーンアース津南の小島広太さんです。農事組合法人グリーンアース津南は、若い世代が中心となって、共同でトマトなどの野菜や米を栽培しています。小島さんはその中でも最年少ですが、トマトづくりにかける想いは誰にも負けていません。
梅雨入り前の6月中旬、畑にしゃがみ込み熱心にトマトと向き合う小島さん。「去年、津南は雨の日が多くて病気にやられるトマトもありました。大切に大切に育てていたトマトが枯れていくのが凄く辛くて。今年はそれを食い止めてくれる微生物を畑に混ぜているんです」。毎年、彼らは力を合わせて津南でも一、二の収穫量を上げていますが、疫病の影響で昨年は目標の収穫量に届かず、作物を育てる難しさを痛感した一年でした。
その悔しさを胸に小島さんは、全力を尽くして大切なトマトを守ります。広大な畑に植えられたトマトは約12万株。何日もかけて、その一つひとつの根本に手作業で微生物を埋めるのです。気の遠くなるような作業ですが、「僕が元気良く実らせたトマトをみんなにおいしいと言ってほしいから何も苦ではありません」とまっすぐな眼差しで答えてくれました。
立派なトマトを育てるための苦労は、芽吹いたばかりの苗が届く時から始まります。今年、カゴメからトマトの苗が届いたのは4月19日。「いつもトラックに山のように苗が積まれて運ばれてきます」と話すのは、桑原健さんです。大量に届く苗はあたたかくなるまでハウス内で育てるため、すべてポットに植え替えなければいけません。「その作業は全員総出で一気にやりますから一日半で終わっちゃいますよ」と何事もないように語る桑原さん。しかし、それは仲間全員が力を合わせ、寝る間も惜しんで作業に打ち込むからこそできたことなのです。
ハウスで苗を育てている間も困難は続きました。今年の春に津南を襲った凄まじい強風でハウスが一棟飛ばされたのです。「天井から骨組みまで全て飛ばされたんです。まだ生まれたばかりの赤ん坊のような苗が、剥き出しのまま風雨に晒されているかと思うと気が気ではありませんでした」と桑原さん。太刀打ちできない自然の力に挫けそうになりながらも、壊された骨組みを全員で拾い、もう一度組み立てなおしたと言います。こうした大変な思いの末、ようやくトマトの苗はたくましく育ち、畑に植えられました。
トマトがすくすくと生長するようになると、畑では草取り作業にかかりきりになります。4ヘクタールにおよぶ広大なトマト畑で、厳しい暑さの中、玉のように流れる汗と乾いた土埃にまみれながら、全員で畝の間などに生えた雑草を一本一本根気よく抜いて歩きます。
「植物は毎日生長しているから、今小さくても放っておくとすぐでっかくなって、トマトの生育を妨げるんだ。苦しい作業だと思うけど、手を抜かず頑張ってほしい」と懸命に働く若者を励ますのは、カゴメ・原料担当の松田。40年以上にわたって津南の契約農家さんと共にトマト栽培に携わってきた松田は、グリーンアース津南のみなさんとも強い信頼で結ばれています。「必死に大きくなろうとするトマトは話しかけてくるんだよ。『体調がおかしいよ』とか『草が伸びてきたから退治して』と。みんなにはその声が聞こえる『トマトと話ができる人』になってほしい」と松田は彼らの成長に期待を込めてその思いを語りました。
「ちっちゃい苗が大きくなって、実がついていくのは、子供を育てている感じかな」とすくすく育つトマトを慈しみながら屈託なく笑う大沢恵子さん。大沢さんはみんなのムードメーカー的存在。これから収穫まで、枝分けや追肥などたくさんの手間がかかりますが、「まだまだ一生懸命お世話しますので、今年もおいしいトマトができますよ!」と力強く話してくれました。この春は、天候不順で生育の遅れが心配されましたが、たくさんの愛情を受けたトマトは立派に育っています。夏には真っ赤に完熟した最高のトマトが収穫できそうです。
カゴメでは、産地で大切に育てられたトマトのしぼりたてを今年もお客様にお届けいたします。ぜひ、「夏しぼり」を楽しみにお待ちください。

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