鹿児島県-奄美市
最近では、それぞれ特長的な味わいのある柑橘類が出回っていますが、オレンジとぽんかんが自然交配して生まれた"たんかん"を食べたことはありますか?「なんといっても風味がよくて、口に入れたときのまろやかさがたまらない。甘いだけじゃなく酸味もあって、本当においしいよ」とおっしゃるのは、"たんかん"栽培を始めて39年になる平井學さん。今回は、この"たんかん"を求め、いざ奄美大島へ。真っ青な海と山々が織り成す大自然が、"たんかん"栽培の舞台です。
"たんかん"を栽培するには、亜熱帯気候が適していることもあり、日本では、おもに鹿児島県や沖縄県で栽培されています。奄美大島の年間平均気温は21度で、"たんかん"にはぴったりの場所。そうは言っても、「39年栽培してきたなかで、まったく台風が来なかったのは去年だけ。毎年台風には悩まされる。だから、防風林を5000本植えて風対策をしている」と學さん。おじゃました平井果樹園は、標高280mの山中に位置するため、昼夜の寒暖差が"たんかん"の甘みをつくりますが、同時に台風対策が欠かせないのです。
「毎年の細やかな摘果作業や冬の間の剪定作業によって、今年新たに伸びた春枝に、6、7枚の葉をもった花が4月中旬に咲きます。「だんだんと実が大きくなる6月中旬からは、50枚の葉に1果実を残すように摘果。3haある畑を40日ほどかけて順々に摘果したら、今度は75枚の葉に対して1果実、その次は100枚の葉に対して1果実という作業を何周も続ける」。葉の枚数は長年の経験で判断されるそうですが、1150本もの樹があるため途方もなく大変な作業です。これを越えて、ようやく収穫できるのは翌年2月から。1本の樹に450〜500個もの鮮やかなオレンジ色の"たんかん"が実ります。「これまでさまざまな産地を見て、自分の畑ではどうしたらよいかを考えてきたけれど、自分たちの仕事は1年周期だから、まだ39回しか経験していない」と學さん。これほどの実績がありながらも、まだなお前進を続ける姿こそ、 "たんかん"の大いなる未来を支えているのですね。



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