鳥取県-鳥取市福部町
言わずと知れた日本一の鳥取大砂丘。この壮大な地で、江戸時代から自家用として栽培されてきたのが、砂丘らっきょうです。市場への出荷が始まったのは、大正6年のこと。シャキシャキとした独得の歯触りやきめ細やかな白い肌にファンも増えています。5〜6月が収穫の最盛期。今年で89年を迎える砂丘らっきょうの長い歴史を支えてきたのが、元気溢れる女性たちでした。
「ここらでは女の人もトラクターに乗って作業している。女はだまっとれという雰囲気がなくて、ほんとに女性が元気。女性が主になってやってるから、ほんっとに楽しいだがあ」と開口一番に話してくれた岡野保子さん。「たいていは嫁に来んさってから、らっきょう作ってるけ、皆20年来の友だちよ」と橋本紀子さん。「そうそう。友だちは財産だがね。そりゃあ苦労っちゃあ、ずっと苦労だけど、仲間がおるけ」と香川佐江子さん。
皆さん作業の大変さを微塵も感じさせず、本当に明るく話してくださいましたが、じつはたくさんの苦労があるのです。
「夏場の植え付けは大変よ。ひとつずつ手で植え付けるもんで、ずっとへたばって(しゃがんで)やる。陽をよけるもんがなんにもないから、地面の照り返しも受けて50度近くになることもあるんよ」。何万株もの種を、ひとつずつ手作業で行う植え付けは7、8月のまさに炎天下のなか行われるのです。さらに、台風が来ると、せっかく植えた種が砂で埋まり過ぎてしまい、自力で芽が出ないことも。1球ずつ砂をどかす作業も本当に大変です。「やっぱり大変なのは気候がよめないこと。だから、1年1年初めてのような気分で取り組むんよ」。長年の経験があってもなお、初心を忘れない気持ちが大切なのですね。
「百姓は来年があるから頑張れる。済んだことをくよくよして泣いとったってできん。仲間と一緒にあっけらかんとしてまた頑張る」。口々にこう語ってくれた女性たち。内からみなぎる輝く笑顔で、日本一の砂丘らっきょうを今年も届けてくれます。




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