岐阜県-関市武芸川町6
つるむらさきをご存じですか?熱帯アジア原産の中国野菜で二千年も前から食用とされていましたが、日本で栽培されるようになったのは、今からわずか20年前。岐阜県の武芸川町が、栽培発祥の地です。
武芸川町は、長良川の支流である武儀川が悠々と中心に流れ、山々に囲まれた自然豊かな町。広大な敷地で米を作ったり、数種の野菜を育てたりしていましたが、特産品と呼べるものはありませんでした。そこで、村おこしのために何か作れないかと、地元の岐阜薬科大学の教授に相談。つるむらさきを紹介され、いよいよ未知なる挑戦が始まったのです。
つるむらさきは、寒さに弱く、暑さに強い野菜。踏まれても踏まれてもたくましく育つ雑草のように、摘んでも摘んでも旺盛に葉を繁らせる強い生命力が特徴です。種蒔きをするのは4月下旬頃。土を掘り起こし肥料を混ぜたところへ、無駄な草が生えないように、また土中の温度を保つためにマルチシートを張ります。その上に50cm間隔で穴を開け、一つひとつ腰をかがめて手作業で種を蒔きます。収穫するまでの間は、除草をしたり水の管理をしたり。そして、7月の暑い時期から10月までの長い期間にわたり、いよいよ収穫です。「男の人が大元の株を切る役目、葉を一枚ずつ切っていくのは女の仕事なんよ。暑いもんで朝早く起きて穫らにゃー。摘んでも摘んでも、ザーッとつるになるから、よう穫りきらん」と当初から栽培に取り組んでいる山田須磨子さん。同じ仲間の永井幸恵さんは、「もう私らは70歳を過ぎているんやけど、つるむらさきに出合ったおかげで毎日楽しいわぁ。ちょうど暑い時期に収穫しよるけぇ、大変やけど、おいしいって食べてくれる人がおるけぇがんばれるんやろなぁ」とおっしゃいます。こうして、町を愛する人々が一体となって、新たな道を開拓しようと努力した結果、つるむらさきは、今や武芸川町を代表する特産品になったのです。


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