京都府-京都市伏見区羽束師
シャキシャキとした食感に、自然の風味が活きた独特の味わい。いまや、京の伝統野菜の代名詞ともいえるみず菜は、京都盆地の西に位置する長岡京市で栽培が始まりました。
「ここらは、冬は底冷えする。昼と夜の温度差があるんや」とおっしゃるのは、みず菜栽培で京都市長賞も受賞した高畑一男さんです。今では、種を自家採りしている農家はまれですが、高畑さんは、「いいもんを自分らで」という精神のもと、種からこだわって栽培されています。 4反もの広大な畑はすべて露地栽培で、10月末から3月までの長きに渡って順々に収穫されるため、種を蒔く量を調整することから作業は始まります。温度や水分の差もありますが、暖かい時期に種を蒔いたものは1週間くらいで芽を出します。「大切なんは、やっぱり間引きや。種を蒔いた時期によって、粗う間引いたり細く間引いたり。大きさをそろえるんもあるけど、栄養も行き渡るようにする」と高畑さん。早い時期に種を蒔いたものは、ひと月かからずに収穫できますが、寒くなるにつれて成長が遅くなり、3ヵ月かかって収穫するものもあります。その年の温度や雨の量によって、間引き方もその都度変えるわけですから、まさに経験の為せる技です。
収穫は、延々と広がる畑で、朝早くから一日かけて、鎌で一つひとつ丁寧に刈っていきます。さらに、種を蒔く時期をずらしているため、収穫作業と並行して、種を蒔いたり間引いたりと休む暇はありません。 「細く白い茎は、手触りがやわらかくていいみず菜なんや。霜が降りて、よりおいしいもんができる。今年は一番ええ。雨がドカ降りせんかったから、土がふかふかでできがええ」。高畑さんの経験から生み出される自信の言葉、それと同時に、みず菜を見つめるときの優しい眼差し。その姿から、技術だけではなく、温かい"心"でみず菜を育てられていることがひしひしと伝わってきました。



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