青森県-三戸郡田子町
にんにく栽培が盛んな青森県のなかでも、特に甘いと評判を呼んでいるのが、青森県最南端に位置する田子町です。1年にわずか10日しかない収穫期、すべての苦労がここに集約されます。
田子町では、昭和37年ごろからにんにく栽培が始まりました。近くの福地村(現在の南部町)で栽培されていたにんにくの評判を聞き、田子町農協青年部で種子を購入し栽培に着手。最初はなかなか大きく育たず試行錯誤を繰り返し、その後、堆肥を入れた畑で大きく育つ事が判明。田子町は畜産も盛んだったこともあり、この牛の堆肥こそ甘いにんにくを育てる鍵だとしったのです。
にんにく栽培歴37年の田沼誠一さんも酪農家でした。「作物に対していい菌をつくるのが稲ワラで、これを食ってる牛の堆肥と米ぬかを土に混ぜる。これだけでなく、毎年土壌診断して土に関しては特に徹底してる。他よりも田子のにんにくが甘いって言ってくれるのは、この土づくりが一番関係してるんでねえかな」とおっしゃいます。
丹念に土づくりを終えた秋口、地温を保ち、除草剤を使わず雑草を抑制するためビニールシートを貼り、10a(アール)辺り1万5千〜1万8千もの数になるにんにくを1片ずつ手作業で植え付けます。「植え付けるにんにくは大粒で丈のあるスラッとしたもの。毎年良質のものを選抜している」。
植え付け後、2週間ほどで芽を出し、根雪前には3〜4葉まで生育。この状態で雪の布団を被りながら、にんにく自身が凍らない様に糖をつくり、こうして越冬した春、再び成長を始めます。「6月にかけて一気に生長する。天気がいいときは雑草を抜いたりするんだども、大雨が大敵だね。土がぐちゃぐちゃになって畑にはいれなくなってまう」。収穫できるのは、7月初旬のわずか10日ほど。収穫適期が短期間しかないなか、梅雨と重なり、雨が降ると土がぬかるみ掘りにくくなるから大変です。「毎年天気が違うから毎年が勉強。まだまだ満足できない」と言う田沼さんですが、収穫したばかりのにんにくは丸々と大きく、真っ白に輝き、本当によい香りです。
収穫後は35℃に保った専用の乾燥室で2週間ほど乾燥させ、その後マイナス2℃の冷蔵庫で保管。この地で育まれる「たっこにんにく」の糖度は、なんと38〜40度くらいもあるために凍らず、いつでもおいしいにんにくが出荷できるのです。





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