大阪府-和泉佐野市
江戸時代より、大阪の泉州で栽培されていた水なすは、名前の通り、ほかのなすと比べ非常に水分が多く、皮と肉質がやわらかいことが特長です。最近では、「泉州の水なす」としてそのぬか漬けが人気を呼び、全国的にも有名になりました。温暖で降雨量の多い泉州だからこそ育つ水なす。6月から盛夏にかけて旬を迎えます。
「当然、土づくりは大事。生のわらを自家発酵させたものや、そのほかの肥料を土に混ぜることから始まる。もちろん、毎年土の検査もしてもらっとるよ。あと、水が多いと根が腐るから、水はサッとはけるようにするんも大切。栽培に関わって、枯らしたことないんゆうが自慢やね」とおっしゃるのは、水なす栽培歴23年になる山本秀文さんです。今では、露地で800本、ハウスで1200本もの水なすを育てています。 その水なすは、種蒔きが10月、定植が1月下旬です。「いらん葉を落とす剪定や芯をとめる(何方向にも伸びる芽を摘む)作業のほかに、雑草をこまめに刈ってスカッとさせるんが自分流。虫も寄り付かなくなるしな」。そして、まさに経験の為せる技と言えるのが、「花をひと目見ただけでいい実を付けるかどうかわかる」との言葉。どれに実を付けるか判断しながら、花びらを手で摘み、受粉させて実がなるのを待つのです。
「最盛期の6月から9月は、朝4時には畑に出る。暑いときに穫ると、なすの色がどす黒くなってしまうから、温度が高くなる10時にはもう収穫できない。ハウス内は40度以上にもなるから、暑うて5kgは体重が減るよ」と、過酷さは半端ではありません。それでも、「苗からコツコツつくってやってるもんで、赤ちゃん育ててるのと一緒ですわ」と山本さん。ツヤツヤとした肌に美しい卵形の水なすは、手間を惜しまず丁寧に育てられたからこそ。全国で人気を呼ぶ理由は、農家の方の愛情が水なすに注がれているからなのですね。





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