鹿児島県-出水郡高尾野町
そらまめの生産量日本一を誇る鹿児島県。なかでも、県最北端に位置する出水郡の「出水のそらまめ」は、大相撲5月場所の桝席でも振る舞われていたほどですから、そのおいしさは折り紙つき。鹿児島を代表する春の風物詩として人気です。 今回お話を伺ったのは、そらまめのブランド産地として認定されているこの出水で、30年間栽培に携わり、ブランドマスター(産地育成リーダー)として活躍する中尾さんご夫婦です。
栽培は、元気な根が張るように完熟堆肥を施し、土を作ることから始まります。10月に植え付けし、11月にはひとつの株から10本ほどの脇芽が出てきます。養分たっぷりのそらまめを作るには、この段階から余分な芽を取り除く作業を繰り返します。2月に咲いた花も、いい花だけを残すように摘花。3月には、いよいよさやがなりますが、またしても余分なさやを取っていきます。「そらまめは始めが肝心。摘芯や摘花をうまく几帳面にやらねば大きくならない。作ったものを食べてもらうって責任を感じてやらなきゃいけん」と中尾さんはおっしゃいます。
「30年そらまめと付き合ってるけど、やっぱり1日1回は畑に行かなきゃ落ち着かない」と丁寧に育まれるそらまめ。収穫最盛期は、県内随一の寒さや短い日照時間の関係で、他の産地より遅い4月10日から下旬までの約3週間。そらまめにとっては恵まれた環境とはいえませんが、「みんなが勉強して、みんながいいそらまめを作ろうとしている」と中尾さん。また、「ダイナミックなさやが、ワーッとついてるのを見るのが楽しみ。苦労が報われるときだよ」とのこと。ただ、日中に穫ると、さやが陽に焼けてやわらかくなってしまうため、この期間は、連日夜明けからの作業となるそうですから大変。春香る「出水のそらまめ」が信頼され続ける所以は、この農家の方々の汗にあるのだと改めて思いました。



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