東京都-八丈島
今日芽を摘んでも明日には新しい芽を出すとして名付けられたあしたば。実際には、4〜5日後に芽を出すとのことですが、非常に生命力が強いことで知られています。このあしたばは八丈島原産で、古くから自生していましたが、今では八丈島の宝として栽培が続けられています。
八丈島では、かつて雑草などを燃やし、焼いた灰を肥料にする"焼き畑"であしたば栽培が行われていました。現在では、より効率のよい栽培方法が一般的になり、今回お話を伺った浅沼幸光さんも、土作りにこだわった栽培方法に取り組んでいらっしゃいます。「あしたばは根が50㎝と深いから、たくさん水分が必要なんだ。幸い八丈島は雨がよく降るし、この辺りは保水性のある粘土質の土が多い。だから土中の水分をできるだけ逃さないように、粘土質の土をどう活かすか考えて土作りをするんだ」と幸光さん。夏の暑い中で行われる土作りは、まず、直射日光に弱いあしたばのために、広い畑から西日が当たらないような場所を選び、さらにいい土壌を選択して耕作。また、長年、酪農をやってきたという幸光さんならではの方法が、あしたばを餌に育った牛の糞の堆肥を土に混ぜることです。
種蒔きは秋。20日ほどで発芽するそうですが、「芽が出た瞬間は感動する。まるで、生まれたばかりの我が子を見るような気がして、ジーッと見てても飽きないよ」とご夫婦。11月末から半年かけて行われる収穫作業は、全部の畑をまんべんなくまわるというから大変です。一日に500〜600㎏、特殊な爪を使って、地道にひとつずつ掻いて穫っていくそうです。 「今仕事がやれるのは母ちゃんのおかげ」と幸光さんが言えば、「あしたばを見ると元気になれる」と幸せそうに微笑む奥様の民代さん。「苦労はあるけど、人間と同じように毎日表情を変えるあしたばに、いつも教えられて前に進める」。こんな素敵なご夫婦に支えられ、八丈島の宝、あしたばは今日も育ってゆきます。




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