長野県-千曲市
江戸時代、現在の愛媛県から長野県へ嫁いできた豊姫が「故郷の春を長く忘れじ」とあんずの苗木を植え付けたのが、長野のあんず栽培の始まりとされています。今日、長野のあんずは日本一の栽培面積と生産量を誇り、薄桃色の花を咲かせる時期や、収穫の時には、毎年たくさんの観光客が訪れます。
長野県のなかでも北部に位置する千曲市は、あんず栽培の盛んな場所です。私どもは花満開の4月にこの千曲市を訪ねました。「この辺りはガラ地といって石が多いから水はけがいいんだ」とおっしゃるのは、この地に生まれ、あんず栽培に携わって40年以上になる稲玉政好さんです。「ここらの気候風土はあんずにとても合っているのだけれど、あんずそのものはデリケートで天候に左右されやすい。花が咲いたときに霜が降ると柱頭(雌しべの先端部分)が凍みて受粉しなかったりすることもあるんだ。今年は例年より10日ぐらい花が咲くのが早かったし、4月に入って霜が降ってね。40年以上やっているけれどこんなのは初めてだよ」とのこと。自然相手の農業の厳しさを改めて思い知らされました。
さらに栽培で大変なのが、6月下旬から7月中旬の収穫時期。収穫はちょうど梅雨真っ只中になりますが、果皮が薄いあんずは、雨が降ると実が割れてしまうことがあるのです。「いいもん育てようと冬は気合いを入れて剪定して、5月や6月はバランスを見ながら摘果して。さあいよいよ収穫という一番の盛りに雨で実が割れたりする」。そのため、雨でも適熟の実を収穫しなければならず、朝7時には畑に出て、ひとつずつ手でもぐ作業が続けられるのです。収穫した実をすぐに選別し箱詰めも行うため、この時期は夜12時になることもあるそうですが、「大変さよりうれしさが先に立つ」と政好さん。最後に「あんず栽培は子どもを育てるのといっしょで、愛情込めてやるから がんばれ なんてつい樹に言葉かけちゃうんだ」とのこと。深い愛情を受けて育ったあんずは、まるで幼子の頬のように艶やかな橙黄色に染まり、とびきりのおいしさを携えます。





こちらのページでご紹介している
商品以外のカゴメ商品に関する
お問い合わせは
お客様相談センター
0120-401-831
( 承り時間 9 : 00 ~ 17 : 00 )