医学博士でプロの落語家としても活動中の立川らく朝先生による、
わかりやすくて、ためになる健康のお話をお楽しみください。
自分で自分を消化する?
この季節、よく駅のホームで見かけます。ベンチで潰れてる酔っぱらい。スリが財布をヒョイとすって財布の中を見た。すると札ではなく、飲み屋さんの請求書と一緒に、「後はよろしく」という手紙が入ってた。世知辛い世の中になったもんだ。
年末の恒例が忘年会。「年」を忘れるのならいいけど、「我」を忘れる人もいる。はしご酒の挙句、酔っぱらって喧嘩。もうこうなると「忘年会」ならぬ「暴年会」だね。
お酒もほどほどなら楽しいけど、飲み過ぎて良いことはひとつもない。突然お腹に激痛がきて七転八倒の苦しみ、救急車ですぐ病院へ。そんな病気の代表が「急性膵炎」なのです。男性で大酒飲み、となると、これはぐっと頻度が高くなります。
膵臓は脂肪やたんぱく質の消化吸収には欠かせない臓器。そして、インスリンというホルモンを分泌する臓器としても知られています。膵臓では消化酵素を作っていて、これを管(膵管)でもって小腸に分泌しています。しかしこれが詰まると、膵管を流れていた消化酵素が外に漏れ出し、恐ろしいことに自分自身、つまり膵臓が膵臓を消化してしまいます。こうして膵臓で激烈な炎症を起こすのが急性膵炎なのです。
シュに交われば・・・
急性膵炎の原因でもっとも多いものは、何と言ってもアルコールの過剰摂取です。理由はいろいろなのですが、飲酒によって、膵管は詰まりやすくなってしまいます。
お酒もやっぱり適量が良いのですね。日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎ならダブルで1杯、これが適度な飲酒量です。誰です?「それくらいなら飲まない方がましだ」って言ってる人は。でもこのくらいの酒量なら、かえって体に良かったりするんです。
たまにはいいけど、毎日お酒を飲み過ぎて紅い顔して喜んでる場合じゃないですよ。「だって仕方がない、酒に交われば紅くなる」って、おいおい、それはちょっと意味が違うんじゃないの。まあ、この季節、お酒と上手に付き合いたいですね。
立川 らく朝 
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